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手、けっこうごつごつしてるんですね。
出会ってすぐの頃、そんなふうに言った事がある。
「ん？あー、でも男にしては綺麗な方でしょ」
「バイトで水仕事とかもしてるからさ、結構気使ってるんだ」
使ってるハンドクリーム、私のと同じブランドだったんだよね。
それで、あとは、
・
・
・
家まで無言で歩く中でなぜかそんなことばかり頭に浮かぶ。
龍也さんとの今までのこと。
いつだって優しかった。
・
『あの、ほんとにここで平気なので』
「ダメ。俺が嫌だから」
『でも…！』
「お願い、ワガママ聞いて」
そんな風に言われたら何も言い返せない。
それはきっと、後ろめたいから。
・
・
「…Aちゃん？」
「なんで泣いてるの、」
『わかっ、りませ…』
暗くなってきた住宅街を歩きながら、勝手に涙が出てきた。
「Aちゃん、俺の事嫌い？」
その言葉で聞くのはずるいと思う。
私の部屋の前まで着くと、龍也さんはくるりと向き直った。
『そんな、嫌いとかじゃ、』
違う。
『嫌いじゃ…』
ほんとは違うんです、
・
またぽたりと涙が落ちた。
『すきなんです、』
龍也さんが好きなんです。
・
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えむ(プロフ) - ありすさん、ありがとうございます！ (2021年3月10日 21時) (
レス) id: 44227b13cd (このIDを非表示/違反報告)
ありす(プロフ) - このお話大好きです〜！！ (2021年3月6日 2時) (レス) id: fdf31cd958 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えむ | 作成日時：2021年3月2日 1時
