幼馴染と再開した。 (ページ6)

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「いじわる」

変わらず意地悪な顔をしている豹馬が私の方にむく。
私がここまで来るのも分かっていたような表情なのがムカつく。豹馬が今から言うセリフは手に取るように分かるのがもっとムカつく。

「誰がどうしてどう意地悪か言ってみ。」

頭の中で想像していた豹馬と、目の前にいる豹馬がハモる。
私が言いたくないことを言わせようとするんだから。
私にキスをしてと言わせたいのは分かってる。
普段素直じゃない私に何がなんでも言わせる気だ。
結婚したからといって、はい素直になりますなんて無理な話だもん。

黙り込む私に、言えねぇならもう行くけどと、更に追い打ちを掛けてくる。玄関まで追いかけてきた私に、言わないという選択肢なんてない。

「……ひょまが、きすしてくんないから」
顔を真っ赤にして、今にも消えてなくなりそうな声を出す。
朝からこんな意地悪されるなんて、ついてない。
今日の運勢最下位だ。

こんなに頑張って言った言葉も、キスしたじゃんと言う豹馬の意地悪で無かったことにされてしまう。
好きな子に意地悪したくなる男性がいるのは知っていたけど、こんなに意地悪で、すぐ近くにいたなんてことは聞いていない。
鬼、悪魔、閻魔大王！！

「どこにされたかったか言って」
「……く、ん、！」

口と言う前に塞がれた。