幼馴染と再開した。 (ページ5)

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カーテンの隙間から覗く朝日と、朝を知らせるさえずりに目をゆっくり開く。
まだぼやけている目の前に容赦なく差し込む太陽を手で隠し、1人で寝るには広すぎるベットから体を起こす。

スズメの声で起きれるなんて、今日はいい日になりそう。
占いランキング1位の予感。

頭で幼稚なことを考えながら、体は無意識に隣の温もりを探す。まだ温かさの残っていることに気づき、先程の鈍さとは比べられない程の速さでベッドから抜け出す。
スリッパを履かず、素足のまま廊下をぺたぺた音を立ててリビングのドアを開けた。
赤髪が振り返るのを待たずに、背中に飛びつく。

「うお、珍しくはえーじゃん。」
上機嫌な声が頭の上から聞こえてくる。私は抱きしめる腕に力を込めた。彼からしたら痛くも痒くもないだろう。
前に1度、お前の力小動物以下って言われたくらいだ。
私のいっぱいの力を込めた腕もいとも簡単に外されてしまう。
私と向き合うように向きを変えて、爆発した髪を整えるように手櫛でとく。大きな手で触られるのが気持ちいい。

「ひょまいまから？」
「ん。」

お日様のいい匂いがするトレーナーを着ているということは、今から朝のランニング。髪をといていた手が止まって、私の左手をとり、輝く薬指にキスをする。告白は夕日、求婚は月光、今は朝日に照らされている。もうすぐコンプリートだなとつまらないことを考えながら、薬指から手首、二の腕、首と段々上がっていくキスを受け入れる。
彼の髪の毛がくすぐったくて、耳にかけてあげると、熱い視線に絡め取られ離せない。
近づく顔にギュッと瞑れば、おでこにわざとらしく音を鳴らしてキスを落とす。

今のは、口にする雰囲気だったじゃんか。
目を開き、睨むように見ると、満足そうに笑う豹馬と目が合う。ずるい。なにか企んだ顔は昔から変わらないんだから。
また近づいてくる顔に目を閉じる。

頬にされた。私が期待しているのはそこじゃない！
からかうように笑う豹馬を叩くと、猫パンチですかと笑われる。ほんっと性格悪い。

「……わがままお嬢」
「お嬢じゃねぇよ」

私の呟いた声も聞こえていたらしい。地獄耳。
拗ねている私を置いて、玄関に向かう豹馬。
どうやら私が一番欲しい所にはくれないらしい。
寝室のスリッパを回収して、私も玄関に向かった。