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｢〜♪〜♪｣
少女の歌に合わせて、鳥達もさえずりだす。
動物達の中には心地よくて寝てしまう者もいた。
｢誰もいないから気持ちよく歌えるますね｣
少女がそう言った途端、どこかから走ってくる足音が聞こえた。
｢！？…人…？この島に人なんて私以外…｣
｢おい待てマリモヘッド！｣
｢うるせェ！！お前に付き合ってるとキリがねェんだよ！！！｣
｢あぁ！？じゃあ今すぐ終わらせてやるから１発蹴られてろ！｣
｢誰が蹴られるか！おれが斬る！！！｣
少女は唖然とした。
突然男２人が戦いながら飛び出してきたのだ。
眠っていた動物は目覚め、逃げ出していく。
彼女の周りに、平穏はなくなった。
｢うるせェお前は黙っ…………………おあぁ！！？？！｣
｢何転けてんだよ馬鹿か！｣
｢美女だ……………こんな場所に美女がいるー！！！！｣
｢んなとこに美女なんざ……あ！？｣
２人は、その場に立ち尽くす少女にびっくりして喧嘩をやめる。
｢え……あ………｣
｢お前…なんでこんなとこに｣
｢ひっ…………｣
｢…！…おい馬鹿やめろ、震えてるじゃねェか｣
｢お前が近づいても一緒だろ｣
｢顔が怖ェんだよお前は！……大丈夫かい、マドモアゼル｣
｢ま、まど………も…？｣
｢…おれ達が怖い？｣
｢…………こ、怖い……｣
｢まァこんなとこに人が来りゃなァ…名前は？｣
｢………A…です…｣
｢Aかぁ、素敵な名前だ♡｣
こんなに簡単に名乗ってしまっていいものだったか、と答え終えた後にそう思ったA。
｢あ、あなた達は…｣
｢おれか？おれらはこの島の宝を探しに来たんだ｣
｢！｣
“宝”という言葉を聞いて、Aはサンジの元から離れていく。
体が再び震え始め、顔は青ざめていく。
｢Aちゃん？ど、どうしたんだ｣
｢こ、来ないでください……宝なんて…こんなとこ、ないんです…｣
｢そりゃまァそう思ってたとこもあったが…探してみねェと分かんねェだろ？｣
｢……ないんです、だから、もう、出てって…｣
｢そう言ってんだ、出るぞコック｣
｢でも｣
｢……｣
｢……分かったよ｣
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作者名：ちに | 作成日時：2017年7月9日 15時
