狙われ少女【東京喰種】

♯030…『カネキ＆貴女side』 ページ35

あれから僕とAちゃんは話さなくなった

いや、話せなくなった

Aちゃんが僕のことを避けていてなかなか話すことができなかった

そうしている間に１週間がたってしまった

店長に今日の夜、Aちゃんと一緒に報告をしてくれないかって言われて

多分、店長はAちゃんにも言ってるよね

カネキ「あ……雨だ」

さっきまで晴れてたのに……

トーカ「あ、いいところにいた」

カネキ「トーカちゃん？」

トーカ「この傘、Aに渡してきてくれない？」

カネキ「傘を？」

トーカ「Aは美咲の家行って勉強会してんだ。もうすぐ帰ってくると思うけど、雨が振ってきたからな。念のために……」

カネキ「わかった！」

これはAちゃんと話せるチャンス！

毎回チャンスと言っておきながら失敗するけど今度こそ！！

カネキ「じゃあ、行ってくるね」

トーカ「店長に夜……Aとどうするか報告にしいくんだろ。私もその時いるから……」

カネキ「うん……」

ｶﾞﾁｬｯ

ﾊﾞﾀﾝｯ




貴女side

最悪、雨が振ってきた

天気予報見ておけばよかった

美咲の家を出てから降るなんて……！

私は近くのお店で雨宿りをしています

携帯もあんていくにあるから連絡もとれないし

お金なんて持ってないから傘は買えないし

A「はぁ……」

そう言えば、前にもこんなことが合ったな

学校帰りにいきなり雨が振ってきて

雨宿りしてたらリゼが迎えに来てくれたんだっけ

『A……(ﾆｺｯ』

リゼ……

？「Aちゃん！」

え？

カネキ「よかった！すぐに見つかって……(ﾆｺｯ」

A「カネキ……」

なんでここに……？

A「なんでここにいるの？」

カネキ「傘、Aちゃんが持って行ってないから届けて来てってトーカちゃんが」

トーカお姉ちゃん……

カネキ「よかった……トーカちゃんに美咲ちゃん？だったかな？

その子の家、聞くの忘れちゃって

どこにあるかわからなくて……でもよかった、あんていくの近くで」

A「っ……傘、ありがとう、行こ」

私は左手にあった傘に手を伸ばして掴んだ

傘を左手から取って、傘を開いて歩き出した

カネキ「あ！待ってよ！Aちゃん！」

ﾄｺﾄｺﾄｺﾄｺ

昼だというのにあんまり人がいないな

カネキ「あの……前はごめんね、僕の言い方が悪かったかな？」

なんで……謝るの

悪いのは私なのに……

♯031…『貴女side』→←♯029…『貴女side』

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す