おれ、わんこ。

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@you





『お疲れ様でした！！』





今日も遅くなっちゃったな……



左手につけたお気に入りの腕時計で、てっぺんを越してしまったのを確認し、大きな荷物を持ってタクシーに乗り込む。



住所をつげたらスマホのチェック。



溜まったLINEとDMを返して、お仕事の依頼が来ていないかをチェックする。



そして明日の予定を確認し、アラームのセットも済ませる。



これがわたしの帰り道のルーティーン。





『ありがとうございました！』





お世話になったら笑顔でお礼を言う。



社会人になってから、唯一気をつけて続けていること。



その方が、なんだか気持ちがいいから。





「お疲れ様です！今日も忙しかったんですねえ、」





『きみもお疲れ様。まあねえ、はい、これあげる。』





タクシーを降りて、マンションの目の前のコンビニで買い物をする。



顔なじみで仲良くなったバイトくんに、ガムの差し入れ。





「あざっす！」





じゃあね、と手を振ってオートロックを解除した。



重たい荷物を持ち直して、エレベーターに乗り込み、押したのは8階。



そこそこいいマンションに住めたのは、わたしの実績。



部屋に着いたらまず荷物を置いて、すぐにお風呂に入っちゃおう。



それから溜まってるドラマを少し見ようかな。



そう思って開けた玄関。





「おかえりなさい！！」





ひとり暮らしのここに、なぜか少し高い男の声が響いた。

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