RMPG's short story

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@you



家に着くまでの短い距離、いっぱいいっぱい考えた。



あと3年、早く出会えてたら。



知り合った日が、もっともっと昔だったら。



わたしの知らない陸さんも知れて、合わない歩幅もきっと合うようになってたのに。




土曜日だけじゃなくて、毎日のように会えてたら。



陸さんと向き合う時間が、もっともっとあったなら。



もしかしたら、気持ちだってパズルのようにピッタリハマっていたかもしれないのに。





「Aちゃん、」





家に着いて、いつものように横並びにソファに座る。



いつもと、違う空気。



わたしの気持ちに、気づいた……？





「俺、ほんと弱いね、」





ずるいよ、そんなの。



そんなに悲しそうな顔で、わたしを見つめないで。





「今だけこれ、外すから、」





そう言って、微笑みながら今まで1度も外さなかった時計を外してくれた。



それを外してくれないから、いつも心が苦しかった。



時間なんてない、って責め立てられているようで。



今度はどうしてそんなに優しくするの？





『愛して、』





気づいたら泣きながらあなたを求めていた。





「Aっ、、愛して、る、っ！！」





『わたしも、、わたしもっ、愛しっ、、てるっ！！』





行為中だけの愛してる、に初めて愛してる、と返した。



愛おしそうにわたしを見つめて、またキスをする。



わたしも目を開けたまま。



陸さんの未来が見えて、泪がこぼれる。



いつも以上に熱く激しく求めあった。





「おやすみ、」





部屋を出る時、いつもならばいばい、って言うのに、今日は違った。



だからいつもならおやすみ、って言うのに、わたしは違う言葉を言うの。





『ばいばい、陸さん、』





きっともう、陸さんはここには来ない。









＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿Ti Amo

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