RMPG's short story

Itsuki.F ページ23

request story




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@you





「無事、付き合うことになりました。」





ほんとありがとう、と照れくさそうに笑った樹。



ああ、これでおしまいだ。



わたしの長くて深い恋は、これでおしまい。





『そっか、よかった。』





素っ気ないと思われないようにいつもと同じを装う。



分かってたよ、本当は。



樹がその子のこと、どれだけ好きかって。





「今日、連絡先交換できた、」





って嬉しそうな顔が未だに離れない。



だから今こうやって隣にいるだけのわたしじゃ、



その子に1mmも勝ち目がない。



本当はもう、知ってたの。



でもわざと知らないフリしてた。



気になる、から始まった樹のその子への想いは、



いつしか恋に落ちていて、



その横で話を聞き続けていたわたしは、



それを知っていても樹に恋をしていた。



そんなことはつゆしらず、その子の話をして笑ったり、



わたしを小馬鹿にして笑ったり、



そんな横顔をずっと見つめてきたの。



少しくらい、気づいてくれたらよかったのに。



それで少しくらい、気まずくなってくれたらよかったのに。



なんて、ひどい考えを浮かべてみるけど



でも結局わたしは、樹の幸せしか願えない。



たとえ隣にいるのがわたしじゃなくても、それでも幸せになって欲しい。



そのくらい、好きなんだよ。

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