RMPG's short story

Riku.A ページ19

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@you





『陸くんっ！！！』





寒空の下、雪が降っていた。



肩幅の広い彼に、ほんの少し、雪が積もっているように見える。





「Aちゃん、おはよ」





優しくそう笑って手を振ってくれた瞬間、抑えてた想いが溢れ出したの。



ついさっきまで、わたしの心には今の空のように厚くて暗い雲がいた。



モヤモヤして、陸くんは違う世界の人だから、って思い込んでた。



そのモヤモヤが、厚くて暗い雲が、晴れたとき、会いに行こう、って決めてたの。



でもなかなか一歩踏み出す勇気が持てなかった。



陸くんの近くには、わたしよりもっと綺麗な人がいて、



もっと魅力的な人がたくさんいる。



だからわたしのこの気持ちは、鍵をかけて心のクローゼットの奥底に、しまうことにしてた。



でも日に日に ここにいるよ ってその気持ちが主張を増して、大きくなっていく。



やめてよ、向こうに行って、って思うのに。



でもね、ある日厚くて暗い雲の隙間、陽の光が入り込んできた。





「好きだよ。」





そう、言ってくれたから。





「Aちゃんのこと、一生離さない！」





その時、鍵が開く音がした。



だからね、わたし、陸くん、って呼んで、駆け出したの。



強く強く、抱きしめて欲しくて、



どんっ、て真正面から抱きついたの。





「おっ、ははっ、今日もかわいい、」





陸くんの温もりと、陸くんのせいで上がる体温。



雪が降ってても、もう寒くないよ。



だって陸くんがいるんだもん。

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