浜辺の歌 (ページ6)

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最近体調が悪かったこと

入院しろと言われたこと

だけどもうすぐAとの旅行を控えているから

入院はまだしたくないこと

4年の記念日であるその日に、

プロポーズしようと思っていること

Aには言いたくないこと

全てを話すと

暗くなってしまった空気を変えてくれたのは

康二だった

｢ｸﾞｽ､…それ治るんすか？阿部くん…！｣

｢ちょ、康二泣きすぎ！｣

そう俺が笑えばみんなも笑う

そしてこれからの事を相談しようとした時

今まで下を向いて黙ってた佐久間が口を開いた

目には涙を浮かべて

｢ねえ、阿部ちゃん。阿部ちゃんはさ、どうしたい？
病気を治したい？｣

｢え、あ、うん。それは勿論。｣

｢胃がん…こんなことを言うのはアレなんだけど
俺のじいちゃんも胃がんで亡くなってるんだ。
ステージとかにもよるけど…。
本当にこっちからしても辛い病気なんだよ！

旅行は、治ってからじゃだめ…？
結婚して、子供出来て、ってそれを見守り続けて行けなくなるかもしれないんだよ？

今は治療に、専念するべき。
Aちゃんにもちゃんと説明して、入院しようよ……。｣

｢それは俺も同じだな。入院とか旅行とかそれはなんでもいい。でもさ？

もし物事があって、急に訳分からずにひとりになるAちゃんを俺は見れない。
ちゃんと説明してあげよう｣

｢佐久間、照…。｣