一緒に居たい ページ7
ポンッと肩を叩かれた。
パソコンから目を離せば、直ぐ近くに太宰さんの姿があった。
「今日はヤケに意識が上の空だねぇ。悩み事?」
隣の自席に腰を掛け、珈琲を煽る彼。
「いいえ。ただ、昔の事を思い出してて」
珈琲を一口、口へ含むと彼は云った。
「その様子じゃ、異能の発動の心配ないねぇ」
「ええ、お陰様で」
窓に視線を向けると、外は橙色に染まっていた。
時間を確認すれば、針は午後の4時を指していた。
「もう定時だけれど、君は残るのかい?」
「いえいえ、今日は早めに帰ろうかと」
「じゃあ私も、切り上げるよ」
荷物を纏めて、皆んなに軽く挨拶を交わして探偵社を出た。
日は出ていても、風は冷たい。
「冷えるねぇ」
と、言いつつ、どさくさに紛れて手を握ってくる彼。
「そうですねぇ」
と返し乍ら握り返すと、彼は満足気に笑う。
「太宰さんの手って、意外に暖かいのですね。心は冷たいのに」
「一言余計なのだよ君は」
面白可笑しい話に、互いに笑い合う。
◇
「……何よ、あれ」
その姿を卑しく見詰める女が一人。
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眼鏡が無いと物に打つかる@てまり(プロフ) - 雛鳥さん» 返信遅れて大変申し訳ないです…!読んで頂けて光栄です!!!有難う御座います!更新頑張ります! (2017年7月31日 2時) (レス) id: 91a2a934fd (このIDを非表示/違反報告)
雛鳥 - 読ませていただきました〜!これからの展開が気になります( ´∀` )頑張ってください! (2017年7月30日 14時) (レス) id: 925e879b7e (このIDを非表示/違反報告)
眼鏡が無いと物に打つかる@てまり(プロフ) - クエン酸さん» そう言って頂けてとても嬉しいです!!更新に少々ムラが生じてしまう可能性がありますが、どうか暖かい目で見守って頂けると光栄です(*´∀`*) (2017年7月28日 14時) (レス) id: 91a2a934fd (このIDを非表示/違反報告)
クエン酸(プロフ) - この話好きです。これからどうなるのか気になります。更新頑張ってください!! (2017年6月2日 19時) (レス) id: 0e74f17d02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:眼鏡が無いと物に打つかる@てまり | 作成日時:2017年4月6日 8時