貴方様がお隠れになるまで、 2 (ページ5)

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嫌味ページ5

呂不韋「おや、A様でしたか」

手が離され呂不韋は地面に落ちている市女笠を広い私に渡してきた

呂不韋「いやはや、あなたももう母ですか」

A『もう17歳ですからね』

市女笠の布についている落ち葉などを振り払い頭に被せた。
何度もこの人に婚約話をかけられたことか。
本当の目的は私の持っている数十万の兵。
容易くこの男に渡すものか。この男にそんな大軍渡してみろ、数日後には王都陥落だ。

「呂不韋様ぁこんな女と話してないで共に遊びましょうよ」

ベタベタとよくこんなおじさんに触れるな

呂不韋「いや、久しぶりにA様と話すのも悪くない。
どうですかな？共に茶でも」

特に断る理由もなかった私、受け入れてしまった。

池に建てられた圆攒尖の中に入り座れば宮女達がお茶を出してきた。

呂不韋「秦国に嫁いで結構の月日が流れましたがいかがですかな？秦国は」

A『そうですね…たいして変わりません。』

呂不韋「ほぉ、あの計国と秦国がたいして変わらぬと」

A『確かに華やかさは計国に比べ少ないでしょうが華やかさが私の生活に大切という訳でもありません。質素で、とてもいいかと』

呂不韋「質素…とな？」

A『あぁ、王宮も宮女の服も、この茶器も。何もかも質素』

茶色一色の茶器は花が散りばめてある計国の茶器とは大違い

呂不韋「確かに華やかさは大切でしような」

A『あぁ、じゃなきゃ貴様もあんな女好いておらんだろう』

これは嫌味。

女とはあの趙妃のこと。

呂不韋「何を仰りますか。」

A『誠のことであろう。いいなぁ、その歳になってでも一途に愛するというのは』

これは完全なる嫌味。