花は桜木人は武士 ページ11
噂を終わらせるため、黒、白、赤の曲裾を身にまとい、披帛と団扇を手にして椅子に座った。侍女が髪飾りをつけるのを待っていること数分
A『遅すぎやしないかい?お嬢さん』
春影「髪は女の命です。その命をもっと輝かせるのが髪飾り。時間をかけて当たり前ですよ」
そういいながらもテキパキと簪などを頭に刺してゆく侍女
30分後、
A『うん、いいんじゃない?』
頭のてっぺんのお団子にはティアラのようなものが刺してあり、その髪飾りからは金色の長い房が胸下辺りまで垂れ下がっている。
横両サイドには簪が刺してありその簪からも長い房が胸下辺りまで垂れ下がっている。
**
「ふ、夫人、今は政中なので……」
A『おだまり』
衛兵を押し倒しドアに手をかけ思い切っり引っ張りドアを開けた。
開けると数百の視線がAに突き刺さる。
正殿には呂不韋側も大王側も李牧側も全員が集まっている。
A『政の最中申し訳ないわ。』
昌文君「A……?!貴様早く出て行かんか!」
A『貴様ではなくAよ。
今回は噂について弁明させていただきます』
あの夜、何があったのか、全てを話した。
一語一句、偽りも誤魔化しも一切泣く。
A『次、噂を話した場合、私が王騎城にて拷問させていただきます』
そう伝え、正殿を出ていった。
春影「最後のあれ、完全脅しですよ?」
A『いいのよ、馬鹿にはあれぐらいしないと分からないの』
**
数日経ち、釣殿にて古琴を弾いていると、
政「花の雨だな」
護衛1人つけずやってきた政は私の隣に座った。
釣殿の手すりには雨の水滴と桜の花が付着しており釣殿の中にも桜の花が少々入ってくる。
A『雨は嫌い』
政「……王騎が死んだら後宮に来い。お祖母様の元ではなく。」
A『後宮かぁ……愛蔵渦巻く後宮は嫌なの。政が私ただ1人を寵愛してくれるなら……考えてもいいわ』
政「王騎に甘やかされて馬鹿になったか。王として1人ばかりを寵愛する訳にはいかん」
A『なら無理ね』
膝の上に置いていた古琴を端に置き、立ち上がって釣殿の手すりに座り、湖に手を入れた
手を水の中で動かすと無数の桜の花が手に付着する。
A『花は桜木、人は武士。ぱっと咲いてぱっと散る桜の花がいちばん。人の最も見事な生き方は、美しく咲いて潔く散る武士ということ。私もそれに従うわ』
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作者名:ナタデココ | 作成日時:2023年11月23日 22時