第11話 ｢彼だけが世界の外側にいる｣ ページ41
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『凄い雨降ってる……。』
夏の季節にしては珍しく、ここのところ東京は雨の日が続いている。出勤前、東京海浜病院の最寄りに着いて駅から出ようとすると目の前には大粒の雨。
朝のニュースの天気予報では午後には止むと言っていたのだが、念の為にと通勤ラッシュに押しつぶされながらも持ってきた大きい傘を広げる。
バッ、と大きな音をたてて猫の模様がプリントされた傘地にぼたぼたと雨粒が落ちていく。
地面が雨で濡れている様をみて、ここに足を踏み入れるのは気が引けると思いながらも歩きだそうとした時、誰かがAの肩を叩いた。
「よっす！」
『……元一？』
振り返るとそこにはくすんだオレンジの半袖Tシャツを着た元一が立っていた。相変わらず荷物は最小限に抑えていて、傍から見れば大学生に見えなくもない。
「珍しいな、Aと駅で会うなんて。」
『元一にしては早いんじゃない？……っていうか傘は？』
「家出るとき雨降ってなかったからさ〜小雨なら何とかなると思ったんだけど………なので中に入れてください♡」
『……しょうがないなぁ。』
同期という存在はこの過酷な医療現場において、最も貴重な存在である。辛くても泣きたくても、同じ病棟で働く同期の姿を見れば自分もまた頑張ろうと奮い立たせてくれる存在なのだ。
例え目の前にいる27歳成人男性が語尾に♡マークを付けるような人間だったとしてもかけがえの無い同期には変わらない。
傘の中で人1人分入れるようにスペースを作り、元一の背の高いに合わせる為に傘を少し上にあげると、それに気付いた元一がさり気なくAから持ち手を取った。
『あっ、ごめん。ありがとう。』
「いーの、いーの。いつも飯お世話になってるし、それに俺の方が背大きいしな。」
『ちなみに今日のお弁当はオムライスだよ〜。』
「マジ？！やったね〜♪」
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『「わぁ〜っ！！！」』
「美味しそう…！」
喜多見の溜めた洗濯物を取りに来た涼香が、また手作りのお菓子と一緒にMERのスタッフを訪れていた。
初めて涼香と一緒にお菓子作りをしたあの日からすっかり仲良くなったAは机の前でお菓子の箱を開ける涼香に声を掛けた。
『涼香ちゃん〜！！久しぶり〜！！』
「Aちゃ〜ん！！」
Aの声掛けに気がついた涼香が満面の笑みを浮かべて左右に両手を振った。
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HATHUTA(プロフ) - コメント失礼します！シリーズの中でこのシリーズが1番好きです！Sっ気あってツンデレ強な音羽先生がたまらねぇです（笑）まさに見たかった音羽先生！って感じです、ありがとうございます。 (5月5日 6時) (
レス) @page19 id: f9b555f004 (このIDを非表示/違反報告)
桜奈(プロフ) - あっ！そうでしたかすいませんまたその時にリクエストします！ (2021年9月10日 17時) (レス) id: d4cad16a17 (このIDを非表示/違反報告)
mado(プロフ) - 桜奈さん» コメントありがとうございます。そのように言っていただけて大変嬉しいです。申し訳ないのですが必読にも書いてありますように今の所リクエストを受け付けておりません。いずれ改めて募集するかと思うので、是非その時によろしくお願い致します‥‥！ (2021年9月10日 16時) (レス) id: c324cc81b5 (このIDを非表示/違反報告)
桜奈(プロフ) - もうmadoさんの作品にどハマりまくりてます！音羽先生のデレデレがこう心に「ぐぉっ！」ってくるんです！語彙力ないですが楽しく見ています！リクエストなのですが喜多見先生と街中で歩いているところを見た音羽先生の嫉妬劇みたいです！ (2021年9月10日 8時) (レス) id: d4cad16a17 (このIDを非表示/違反報告)
mado(プロフ) - aさん» コメントありがとうございます！語彙力失う程に楽しんでいただけて何よりです^^1番と言われて大変恐縮ですが、期待を裏切らないようにお話頑張りますので更新したらまた是非読んでやってくださいね。 (2021年9月7日 19時) (レス) id: c324cc81b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mado | 作成日時：2021年8月18日 21時
