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一方的に質問攻めされて、からかってはぐらかそうとしている音羽さんに思わずしかめっ面をしてしまう。大人になってこんな子供みたいに不機嫌になると思ってなかったのに、音羽さんはそんな私のどこが面白いのか、ふははって顔を手で覆いながら笑った。
「私が病室で言った事覚えてます？」
『…勿論、覚えてますよ。』
「Aさんが考えている以上に私は官僚の世界に染まりきっている。きっと貴女の中の私と本当の私は違う。貴女が思うほど、私は良い人間じゃない。」
きっといつか私のせいで貴女を苦しめる日がくるかもしれない。それでも、いいんですか。」
『………それは、音羽さんとお見合いをしたあの日から何となく覚悟をしてましたから。』
「………馬鹿だなぁ、本当。」
『馬鹿ってなんですか、』って音羽さんの言葉に反応して咄嗟に口に出そうとした。した、ってことはしようと思ったけど出来なかったということで、つまり私はそれが言えなかったということになる。
なぜなら突然身を乗り出して言おうとした私の腕を音羽さんがぐっと掴んで、そのまま勢い良く音羽さんの方に引っ張られてしまったから。その上音羽さんの力が強すぎて勢い余って押し倒してしまった。急な行動にびっくりして逃げようとする私の体を逃がさない、というように音羽さんの手で阻止される。
動揺してさらに顔を真っ赤にしているであろう私の顔を音羽さんが下から見上げている。
「…逃がすわけないでしょ。」
『だ、だって音羽さんが……！』
「…折角捕まえたのに、見す見す俺が手を放すと思うか？」
『…っ！』
寝っ転がっていた音羽さんが起き上がって、お互いの目線が同じ位置になる。顔が、近い。
「……捕まえたら、離してやれなくなるけど、それでもいいのか。」
さっきまで意地の悪い笑みを浮かべていたのに真っ直ぐに私の目を見て言う音羽さん。ずるい、ずるいけどそういう所もかっこいいって思ってしまうのは、もうとっくに嵌ってしまっているから。
『………離さない、で。』
私も音羽さんの目を真っ直ぐに見つめる。ちゃんと本気だよって、伝わるように。
その後は流れるまま、どちらともなく顔を寄せた。
重ね合わさった2人分の熱が融けて、徐々に深まっていくそれに息苦しさを感じるのに、それすらも幸せに感じてしまう。
彼の腕の中で身を委ねて、目からは涙が1粒零れる。
もう外の雨は止んでいた。
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HATHUTA(プロフ) - コメント失礼します！シリーズの中でこのシリーズが1番好きです！Sっ気あってツンデレ強な音羽先生がたまらねぇです（笑）まさに見たかった音羽先生！って感じです、ありがとうございます。 (5月5日 6時) (
レス) @page19 id: f9b555f004 (このIDを非表示/違反報告)
桜奈(プロフ) - あっ！そうでしたかすいませんまたその時にリクエストします！ (2021年9月10日 17時) (レス) id: d4cad16a17 (このIDを非表示/違反報告)
mado(プロフ) - 桜奈さん» コメントありがとうございます。そのように言っていただけて大変嬉しいです。申し訳ないのですが必読にも書いてありますように今の所リクエストを受け付けておりません。いずれ改めて募集するかと思うので、是非その時によろしくお願い致します‥‥！ (2021年9月10日 16時) (レス) id: c324cc81b5 (このIDを非表示/違反報告)
桜奈(プロフ) - もうmadoさんの作品にどハマりまくりてます！音羽先生のデレデレがこう心に「ぐぉっ！」ってくるんです！語彙力ないですが楽しく見ています！リクエストなのですが喜多見先生と街中で歩いているところを見た音羽先生の嫉妬劇みたいです！ (2021年9月10日 8時) (レス) id: d4cad16a17 (このIDを非表示/違反報告)
mado(プロフ) - aさん» コメントありがとうございます！語彙力失う程に楽しんでいただけて何よりです^^1番と言われて大変恐縮ですが、期待を裏切らないようにお話頑張りますので更新したらまた是非読んでやってくださいね。 (2021年9月7日 19時) (レス) id: c324cc81b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mado | 作成日時：2021年8月18日 21時
