不器用な彼と奥手な私

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「今日からMER始動だな。8人いるうちの7人顔見知りだからなんか新鮮味に欠けるよな。」


『顔見知りの方が安心しない？変に気を遣うと余計疲れるよ。』


「残りの1人は確か他所の病院なんだろ？人見知りのAがソレだったら確実に腹痛案件だな笑」


『折角元一の分の卵焼き作ってきたけど、いらないみたいだね。』


「冗談だって。
……なぁ、そういえば昨日のお見合い。どうだったんだよ。」


『どうだった、って…別に。普通だよ。』


「お前みたいな良いとこのお嬢様のお見合いが普通なわけないだろ。相手、どんな人だった？」


『……………厚労の、官僚の人だった。』


「か、官僚？！えっ、じゃあ何。お前結婚して看護師やめんの？！」



『やめないよ！向こうが…辞めなくていいって。向こうも医師らしくて、仕事は続けても大丈夫って。

……一先ずお付き合いしてみることにしたの。』



「はえー……。何か、すげぇな…。」


『も、もうっ、私の話はいいからご飯早く食べようよ。』


.
.
.


お昼ご飯を食べ終え、まだ整備を続けるらしい元一と別れてスタッフルームに戻ると、部屋には着々とMERのメンバーが揃ってきていた。



「あれ、Aさんもう来てらしたんですか！」


『冬木先生！
はい、今日からよろしくお願いします。』



「いや〜夏梅さんにAさん、ミンさん、若手期待の研修生の比奈先生と、東海きっての美人が揃いましたね〜！」

「冬木先生それ大分アウトです。」






「…おしっ！じゃあ………行きますか！」



喜多見先生の掛け声で軽い緊張感が走る。



喜多見先生を先頭に、私達はERカーが待つ車庫室へと向かった。

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