不器用な彼と奥手な私

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「___本庁、高松警視監より伝達。


…MERとの合同作戦を許可する。
警察の威信にかけて、全力で医療従事者達を守り抜け。」




『叔父さん……。』


「…徳丸くん、準備出来てるね？」

「喜多見チーフ、勿論っす！！」




「よし。…それじゃあ俺達は全力で患者を助けよう。」

「『…はい！』」


.
.
.

.



中野さんのオペも一山を超えて、ひと息が付けると思った時。

無線から音割れした何かを叩くような音が聞こえたと思ったらERカーの外から1発の銃声音が。


夏梅さんが確保されたと、通信が入ると喜多見先生がERカーから勢いよく飛び出して行った。



『……夏梅さん、』



銃を突き付けられた夏梅さんの姿がフラッシュバックして、
あの銃声音は…と想像したくない結末をどうしても脳内がそれで埋め尽くされる。

隣に立っていた音羽さんが小さな声で呟く。


「…大丈夫だから。……絶対に。」

『………はい。』






その時。イヤーマイクに夏梅さんの元へ駆け付けた喜多見先生から元一へストレッチャーの準備の指示が入り、それから、




「………皆さん。夏梅さんは、無事です。」







『良かったぁあぁっ…………』



ミンさんも比奈先生も歓喜の声を上げる。


「……集中してください。まだ終わってません。」

「…今、音羽先生すごく嬉しそうな目してましたよ？」

「ここ押さえて。」

「ふふ、…はいっ。」


.
.
.

.




「Aさん！！」

『…？はい…？』


無事に中野さんのオペと夏梅さんの保護と犯人確保というミッションをクリアした私達は警察の方の邪魔にならないように後片付けを開始した。その奥ではSITも同じように慌ただしく現場の片付けを行っている。

私も入口で用品の位置を元に戻そうと片付けをしていた時。
現場を指揮していたSITの隊長さんから声を掛けられた。

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