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「……医師の身を危険に晒す行為は、やがて大きな事故を生みます。日本医師会の見解は如何でしょうか。」
「喜多見という医師は煙と炎が上がっていたバスに入っていったそうですねぇ。そんなことは医者がやる事じゃありませんよ!!」
『………ちょっと待ってください。…確かに、喜多見先生の行為は危険だったかもしれません。現に私もその場にいたので比奈先生が仰る気持ちも理解できます。…だけど。彼が居たから負傷者の命も助かったのではないのでしょうか。』
「…貴女は?」
『TOKYO MERの看護師、AAです。』
「そんな社会に出て間もないような若い看護師さんに言われてもねぇ…笑」
『………っ!!』
ふざけないで、とそう言おうとした時。
誰かがジャケットの裾を掴む感覚があって、横を見ると夏梅さんが首を静かに横に振っていた。
まだ湧き上がる怒りをなんとか抑えながらその場に着席をすると、変わらず周りの意見は喜多見先生に対する不満ばかりだった。
求められることはただ1つ。
TOKYO MERそのものの解体。
中立な立場であるはずの音羽さんでさえも喜多見先生の行為の危険性を指摘して、喜多見先生自身に問題があると、チーフに任命した都知事である赤塚さんに追求の矢が向けられた。
彼女が淡々と語ったのは、
喜多見先生が唯一危険と隣合わせの医療を成し遂げられる医師であること、喜多見先生のお母さまが事故現場で搬送されずに亡くなってしまったこと。それが喜多見先生の行動の起点になっていること、赤塚知事にとって喜多見先生そのものがMERの理念であるということだった。
明るく気さくに振る舞う喜多見先生にそんな過去があったなんて…MERのメンバーがそう考えていた時。
会議室のドアが急に開かれ、1人の男性が赤塚知事に何かを知らせに来た。
内容は解体作業現場で爆発に伴う大規模な崩落事故の発生。
____MERの出動を要するものだった。
目の前に映し出さたテレビには、爆発が起きて崩れた瓦礫の中から埋もれた男性を救助する喜多見先生の姿。
その場にいる全員がその映像に息を飲んだ。
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mado(プロフ) - 愁さん» コメントありがとうございます。これは万が一、二次創作物に知識がない方が読んでしまった時に公式ではない、一個人の創作物であるという説明で明記させて頂いております。紛らわしい書き方で混乱させてしまいましたら申し訳ありませんが、ご理解いただけると助かります (2021年9月10日 16時) (レス) id: c324cc81b5 (このIDを非表示/違反報告)
愁 - はじめまして(*^^*) いきなりすみません。 ご説明に書いてある通りドラマとかとは全く 無関係ですけど。。。 登場人物とかにドラマと同じ名前(役名)を使っているってことなんですよね? (2021年9月10日 15時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
mado(プロフ) - 七海さん» コメントありがとうございます・・・!私の癖で分かりにくさせてしまい大変申し訳ありませんでした。ご指摘ありがとうございます、以後統一するように気をつけます。 (2021年8月22日 3時) (レス) id: c324cc81b5 (このIDを非表示/違反報告)
七海 - 初めまして!楽しく拝見させて頂いております。差し出がましいとは存じますが気になったことを…。本文ですが、本人目線と第三者目線が混在しており、少し分かりにくい時があります。もし差し支えなければ、本人目線もしくは第三者目線で統一して頂けると嬉しいです。 (2021年8月22日 3時) (レス) id: 14af18fee1 (このIDを非表示/違反報告)
mado(プロフ) - 梨子さん» 個人的に元一くんのセリフ考えるのが楽しくてつい番外編を書いてしまいました;;本人不在で話している内容が地味に1番キュンキュンすると思います笑! (2021年8月18日 20時) (レス) id: c324cc81b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mado | 作成日時:2021年8月10日 19時