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「…本日付けでTOKYO MERに配属となった厚生労働省・医系技官の音羽 尚と言います。」
それからの私達は、急に現れたもう1人のドクター・音羽尚さんを囲んで喜多見先生と挨拶を交わすという状況になっていた。
「医系技官っテ?」
「医師免許を持った国家公務員の事。つまり…」
皆官僚でありながら医師免許を取得している音羽 尚という存在に興味津々というオーラを隠しきれないようでいた。喜多見先生も例外ではないようで先程からニコニコしながら音羽さんの挨拶を聞いている。
そんな中、私はというと。
さっきまでの失敗なんか忘れてしまいそうになるほど心臓がばくばくと音を立てて、破裂してしまいそうな気分に陥っていた。
『(音羽さんあの時医師免許持ってるとは言ってたけど、まさかMERのメンバーだなんて一言も言ってなかった…!!!)』
「………なぁ、A。」
『(やばい、どうしよう、音羽さんとただでさえどういう風に接したらいいか分からないのに、職場も一緒って…!)』
「なぁ、おい。A、音羽さんって、まさかお前のか、」
『あぁあぁあ!!!それ以上は駄目!!!』
隣から聞こえてきた元一の「まさかお前のか」という言葉に無意識に反応し、思わず元一の口を自分の手で塞ぐ。
「…んぐっ」
「「……………、」」
突然大声を上げた私にびっくりしたのか一斉に皆がこちらに視線を寄越した。……音羽さんもじっと私(と元一)を見ている。
「びっくりしたぁ…どうしたんですか?Aさん」
夏梅さんが驚いた表情で尋ねてくる。
『も、元一が言っちゃいけないこと言いそうだったので…』
「………?」
「…………。」
『き、気にしないでください…。』
「大丈夫なら、いいけど…。」
そう言った私の言葉に、皆不思議そうに首を傾げながらもまた首を前に戻す。
私も元一の口元から手を離すと、ぷはっと元一が大きく息を吐いた。
「………食堂の特製クリームパン10個で手を打ってやる。」
『本当ごめん……。』
MER初日、目標は達成できたもののAにとっては前途多難の幕開けとなった。
「…………。」
「音羽先生、どうかしましたか?」
「…いえ、何でもありません。」
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mado(プロフ) - 愁さん» コメントありがとうございます。これは万が一、二次創作物に知識がない方が読んでしまった時に公式ではない、一個人の創作物であるという説明で明記させて頂いております。紛らわしい書き方で混乱させてしまいましたら申し訳ありませんが、ご理解いただけると助かります (2021年9月10日 16時) (レス) id: c324cc81b5 (このIDを非表示/違反報告)
愁 - はじめまして(*^^*) いきなりすみません。 ご説明に書いてある通りドラマとかとは全く 無関係ですけど。。。 登場人物とかにドラマと同じ名前(役名)を使っているってことなんですよね? (2021年9月10日 15時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
mado(プロフ) - 七海さん» コメントありがとうございます・・・!私の癖で分かりにくさせてしまい大変申し訳ありませんでした。ご指摘ありがとうございます、以後統一するように気をつけます。 (2021年8月22日 3時) (レス) id: c324cc81b5 (このIDを非表示/違反報告)
七海 - 初めまして!楽しく拝見させて頂いております。差し出がましいとは存じますが気になったことを…。本文ですが、本人目線と第三者目線が混在しており、少し分かりにくい時があります。もし差し支えなければ、本人目線もしくは第三者目線で統一して頂けると嬉しいです。 (2021年8月22日 3時) (レス) id: 14af18fee1 (このIDを非表示/違反報告)
mado(プロフ) - 梨子さん» 個人的に元一くんのセリフ考えるのが楽しくてつい番外編を書いてしまいました;;本人不在で話している内容が地味に1番キュンキュンすると思います笑! (2021年8月18日 20時) (レス) id: c324cc81b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mado | 作成日時:2021年8月10日 19時