【名探偵コナン】米花町2丁目20番地 (ページ34)

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32話寝不足ページ34

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名前side

名前『ふぁ………』

沖矢「寝不足ですか？」

名前『……あー、はい……昨日ちょっと寝れなくて……』

例のごとく、工藤邸でミステリーを漁っていると沖矢さんが図書室に入ってきた。

自分の部屋とかリビングに居ててくれていいのに、沖矢さんは私が来ると決まって同じ空間にいる。

私は全然嫌じゃないし、むしろちょっと落ち着くくらい。

…………哀ちゃんは何故か毛嫌いしてるらしいけど。

沖矢「気になるミステリーでも見つかりましたか？」

名前『あ、いえ。

本を読んでた訳じゃないんですよ。

ちょっと昔のことを思い出して……』

夢にしては鮮明だった。

まぁそりゃあ私が見てた光景だから当たり前だけど。

沖矢「……………昔……ですか。」

名前『ええ。

私が小さい頃、すごく可愛がってくれてた人がいたんです。

その人の愛車がシボレー・C-1500だったのを思い出して…………』

沖矢「…………」

名前『先月に来葉峠で車が炎上したじゃないですか。

それもシボレーだったな、って…………どうしました？』

本を戻しながら話していたけど、急に反応が無くなって私は手を止める。

不思議に思って沖矢さんの方を見ると顎に片手を当てて、もう片方の腕を組むように考え込んでいた。

沖矢「………名前さんは、

＂可愛がってくれてた人＂と、

＂来葉峠で亡くなった男性＂が同一人物だと考えてるんですか？」

やっぱり彼は頭がいい。

沖矢さんが言った仮説は私が1番信じたくないものだ。

多分、寝不足の理由も察したんだろうな。

名前『んー、分かんないけど違うと思います。

だってその人が居たのはアメリカですし。

その人は、そんなヘマするような人じゃない。』

沖矢「………そうですか。」

私の言葉に沖矢さんは安堵したように見えた。

まぁ、寝不足になるくらいには気になったんだけど。

沖矢「では、今日は早く寝てくださいね。」

名前『そうします。』

明日も学校だ。

さっさと寝てちゃんと起きれるようにしないと。

｢お邪魔しました｣と声をかけて私は工藤邸を後にする。

その時、沖矢さんが二階の窓から私のことを見ているなんて気が付かなかった。