何故? ページ13
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名前side
補助監督の人が帳をおろしたところで先輩と私は目的地に歩き始めた。
トンネルの中で私と七海先輩の靴の音が反響する。
七海「………反葉さんは、なぜ呪術師になったんですか?」
名前『え?』
ずっと無言だった中、七海先輩は私にそう問いかけた。
なんで急にそんなことを聞くのだろう。
そう思って視線を七海先輩に向けると酷く暗い目をしていた。
七海「私は、高専を卒業したら呪術師を辞める予定です。」
名前『…………』
先輩の発言に驚いたけど、私は黙ってその続きを聞くことにした。
七海「術師というマラソンゲーム。
その果てにあるのが仲間の屍だったら?
私たちが呪いを祓ったところでまた非術師から呪いが発生する永遠のループ。
私は最近、なんのために術師をやっているのか分かりません。」
……術師から呪霊は発生しないと言う話を聞いたことがある。
私たちは呪力のコントロールを身につけることによって無駄な呪力を漏出することが無くなり、呪霊が生まれることは無くなる。
常に呪いの発生源は非術師であり、守るべき対象なのもその人達。
言ってしまえば助けてやる筋合いは無いのだ。
けど、それを言い出すとキリがない。
名前『…………意味なんてないですよ。』
七海「え、」
私がそう言うと今度は先輩が私の方に目を向けた。
青緑色の目が私の目を見て揺れている。
私は先輩から目を逸らして前を向いた。
もう少しでトンネルの出口だ。
名前『今日の任務、無事に終わったら話の続きをしましょう。
着きますよ。』
トンネルから抜けて光が差し込み目を細める。
視界が安定した時、薄暗い洞窟が現れた。
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作者名:あおい | 作成日時:2021年2月25日 17時