29話 ページ31
〜再来〜
ア「オレの名前 すっごく長くてさ、略して『アーデン』なんだけど…この愛称で呼んでよ」
見るからに怪しい相手を愛称で呼ぶのもどうかと思ったが、きっとこの男はピカソの本名くらい名前が長いのだろう。それならば仕方がないので、おとなしく『アーデン』と呼ばせてもらう事にした。
ア「車で行くからさ、みんなで駐車場まで行こうか。オレも愛車で来たんだよ」
そう言ってアーデンは車の方へと歩き出してしまったので、俺達も後に続いた。
貴「……」
イ「……」
何事もなかったかの様にして歩いていたが、もうとにかく隣を歩くイグニスの無言の圧がすごい。視線を全くイグニスの方に向けていないというのに、横からグサグサと、視線と圧の槍が突き刺さってくるのだ。
イ「…………A」
貴「…………はい」
嗚呼、ノクトはイグニスから小言を言われる時、いつもこんな気持ちなんだな。そりゃ有無を問わず返事するしかないな。
ただ名前を呼ばれただけで、この緊張感と冷や汗は本当にとんでもない。怖すぎる。
イ「あのアーデンという男と以前にも此処で会っていたと聞いたが…それは本当か？」
やはり異常な圧の原因はそれだった様で、核心を突かれた俺は、思わず「うっ」と呻き声を漏らした。
イ「……」
少しの間沈黙が続くが、これは別にイグニスが俺の返事を待ってくれているとかそんな生易しい沈黙などではなく、『嘘をついたら殺す』といった系統の、何とも恐ろしい地獄の様な時間なのだ。
貴「その、みんなが街を見回ってる時くらいに、本当に、本当に偶然会っただけなんだ。えっと、この辺旅してるって事だけ聞いたし、特に何もされてないから…心配しないでくれ」
よくもまあ、この台詞一息で言えたもんだと心の中で感心したのも一瞬で、先程から俺の目は緊張で泳ぎまくっているのだ。なぜなら『嘘はついてはいないが全てを話しているわけではない』からだ。
イ「ほう？」
イグニスは片方の眉毛をピクリと上げるとアーデンを見やった。
そしてアーデンは此方に気づいたのか、俺に向かってひとつパチリとウインクをかまして実に面白そうに笑ったのだった。
あ、マジで無理だ。この男。
完全にアーデンに遊ばれていると思うと、拳の一発でも喰らわせたくなったのは言うまでもないが、それよりもだ。
イ「…随分と向こうはお前の事を気に入っている様だが？」
貴「ごめん。マジでそれだけは俺も意味わかんねーんだわ」
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なかまる。(プロフ) - 彩さん» コメントありがとうございます！時間があるときに更新できたらなと思っておりますのでこれからもよろしくお願います^ ^頑張ります！笑 (2018年4月3日 1時) (
レス) id: e75acdb4c6 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - 最高です…!!!更新頑張って下さい！応援してます！ (2018年3月30日 15時) (レス) id: abb688805d (このIDを非表示/違反報告)
なかまる。(プロフ) - メンシスさん» お疲れ様でした！！やっと勉強から解放されたのでちょくちょく更新していけたらなと思います！ありがとうございます！ (2018年3月22日 1時) (レス) id: e75acdb4c6 (このIDを非表示/違反報告)
メンシス - 受験お疲れ様でした！これからも体に気をつけて更新頑張ってくださいね (2018年3月20日 21時) (レス) id: 6f164534c9 (このIDを非表示/違反報告)
なかまる。(プロフ) - チョコブラックさん» ありがとうございます。本当にありがとうございます。コメント本当に嬉しいです(*ﾟvﾟ*)少しずつでも文章力や語彙力を高めることができる様に頑張ります…！ (2018年3月17日 22時) (レス) id: e75acdb4c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なかまる。 | 作成日時：2018年1月15日 0時
