【AKB0048】永遠の777

ドレミファ音痴 ページ28

「とにかく、あなたと私はちがう。ぜんっぜんちがう！いっしょにしないでください！」

希望に強く拒否された楚方は、その後は希望に話しかけることはなく、寮まで戻った。



「とはいえ……希望の理由でも早く0048に入る口実としては弱いと思うんだけどね」

階段下のスペース、そこで奏がそう言うと、横の綾菜も頷く。

「仮に、より早く出身星のみんなに楽な思いをさせてあげたいと思っていたとしても、たった二年なんだよね。あまり変わらない……未友、何してるの？」

自分が話しているときでも、未友がちょっと違うことをしているだけでこんなに反応が早いというのは、最早呆れを通り越して尊敬の域だ。とはいえ、雫も少し気になった。未友は、手元の端末で何かを見ている。

「……ちょっと、調べ物。……あ」

そこで顔を上げ、通りかかった鈴子の服をついとつまんだ。

「？何か用ですか？」

「……少し、訊きたいことが。……ツバサさんは、『前』は何て言ってたの」

「『前』？ああ、そなティーが合格した時の話ですか？」

静かに頷く未友。その未友に何事か言って、鈴子はふと何かを理解した顔をし、「彼方さんたちも呼んできますね」とこの場を去って行った。

「何を話していたの？」

雫が未友に問いかけると「……これ」と言って端末を差し出してきた。受け取り、皆に見えるように持つ。それを見て、少し理解できた。希望の、焦っている理由が。

「……さっき、鈴子さんは言ってた。……ツバサさんは、」

それを聞いて、未友のしようとしていることを理解した。

「作戦を立てよう。希望と楚方さんの、仲直りのために」

奏が言い、全員が頷いた。



楚方は、部屋で沈み込んでいた。真琴が頑張って元気づけようとしていたものの、「ブツゾーはだまってて……」と言い、拒否する。ちなみにそれで若干真琴も落ち込んでいたりした。

(そなた、ほんとにみんなの足ひっぱってるのかな……)

さっきの希望の言葉を一つずつ思い出しながら、また落ち込む、の繰り返しだ。

「楚方ー？いるー？」

彼方が部屋を覗き込む。そして楚方の腕を掴んで立たせ、ぽんと背中を軽く叩いた。

「楚方。希望とちゃんと話し合いしたい？」

「うん……したい。まだ、ちゃんとのぞみとしゃべってないし」

涙声ながら、それでもちゃんと強く頷いて、楚方は言い切った。

「よし。じゃあ、今から言うことをよく聞いて。それでちゃんと話し合おう」

「うん」

作戦が、開始された。

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