必殺テレポート ページ26
次の日。
「とうとうダンスレッスンか……」
移動中のモノレールで、感慨深そうに奏が呟く。今までの戦闘訓練を思い出しているのだろう。
雫はダンスを本格的に習ったことはない。「大丈夫かな……」と独り言ちる。それを聞いた奏が、
「私もダンスは心配かな。歌はそこそこ自信あるけど」
と言った。綾菜がへぇ、と奏を見やる。綾菜としては多分「『奏』って名前だから？」とでも言いたいのだろう。
「……歌唱レッスンは、明日らしいから」
未友が別の方向を見ながらそう言う。雫が未友の視線を追ってみると、その先には希望と楚方が。
「っ……ねえ、あのさー」
「話しかけないでください」
「はなしかけるもん！」
希望の強烈な拒絶を受けて尚、諦めずに話しかける楚方。楚方の希望へのアタックは、レッスン室に入るまで続いた。
軽快なリズムの音楽が流れ出す。「チームB ３rd Stage『パジャマドライブ』」公演より「初日」だ。
AKB0048での最初の研究生公演は「パジャマドライブ」が多い。必然的に習う楽曲が「初日」からとなる。
『♪私は立ってる 憧れていたステージ』
流れてくる音源に合わせて、さっきお手本として目の前で見せられた彼方の振りを思い出しながら踊る。一番前に彼方がいるが、極力見ないでやろうと思いながら足を動かした。もちろん、少しは見ないとできないが。
「そこ！音とズレてる！」
レッスン前に講師として紹介された牛山が声を張り上げた。「はい！」と返事しながら必死に音に合わせる。
『♪……少しずつ咲いて行く花 その努力 決して』
「ちょっとストップ」
牛山がこれで何度目だろうか、曲を止めた。雫は足が縺れて思わず座り込むが、他の78期生が立ったままなのを見て、慌てて立ち上がった。
「踊れてないところが多すぎる。ちゃんと全部踊って」
「っ……」
強烈なパンチを鳩尾に叩き込まれたみたいに、言葉に詰まる。
「一番ひどいのは……」
そこで言葉を切って、レッスン室を見渡す。絶対自分のことだ、と雫は覚悟した。が、指名されたのは別の人。
「……楚方。一年前に戻ったみたい。レベル落としてどうすんの」
「ぁ……その」
「言い訳しない」
楚方が黙り込む。彼方が心配そうに見やった。
研究生は全員知っている。楚方が、希望との関係で少し上の空になっていたことを。だが、そんな個人の事情はレッスンに持ち込むべきものではない。
「……ふんっ」
希望が、呆れたように鼻を鳴らした。
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皐月(プロフ) - 桜野ユウさん» 今、更新された話を読みました(^ ^)めっちゃ！読みやすいです！こちらこそ、改良ありがとうございました！！ (2017年12月31日 0時) (
レス) id: 1dab25db87 (このIDを非表示/違反報告)
桜野ユウ(プロフ) - 皐月さん» ちょっと改良してみました…やればできるもんでした。確かに、間隔をあけると自分でも読みやすいですね…ありがとうございました！(*^ω^*) (2017年12月31日 0時) (レス) id: e618dfe310 (このIDを非表示/違反報告)
皐月(プロフ) - 桜野ユウさん» いい感じの改良をお願いします(^ ^)長文ごめんなさい。m(_ _)m (2017年12月30日 22時) (レス) id: 1dab25db87 (このIDを非表示/違反報告)
皐月(プロフ) - 桜野ユウさん» 間隔を空けることに関しては、そういう事になりますね。私は…なんですけど、少し間隔が開いていた方が読みやすいです。間隔が開いてないと、どこまで読んだのか分からなくなりますし…。けど、意見を押し付けるわけじゃないんで^^; (2017年12月30日 22時) (レス) id: 1dab25db87 (このIDを非表示/違反報告)
皐月(プロフ) - 桜野ユウさん» お返事ありがとうございます(^ ^)まさか、お返事がもらえるなんて思ってなかったので嬉しいです！希望のキャラクターの研究、お疲れ様です！その研究が、希望のキャラクターにちゃんと活かせてると思います！！ (2017年12月30日 22時) (レス) id: 1dab25db87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜野ユウ | 作成日時：2017年12月8日 19時
