Stage3 純情主義 ページ21
「ここが、AKB0048劇場……!」
晴れて第78期研究生となった雫たちは、秋葉星の劇場へやってきていた。
「すごい、ひろーい、人いっぱい!」
希望が「はしゃいだ声を上げ」かけて、はっと静かになる。
「ここで私たち、歌ったり踊ったりするんだ。楽しみだね、未友」
綾菜が「べったりと未友にくっつきながら」嬉しそうに喋る。
「……まさかこうなるとは思わなかったわね、雫」
「……うん」
奏の言葉に、雫は完全同意した。
話は少し前に遡る。
「希望、本当の年齢は先に言っておいて頂戴。公式HPに載せるから」
秋葉星への途中、ツバサが唐突にそう切り出したのだ。焦る希望の様子を見て、ふっとツバサは微笑んだ。
「候補者プロフィールは、念の為裏付けを取るのよ。『阿蘇星』出身の『木島希望』は二月生まれの小学五年生、10歳だった」
「裏付けを……じゃあ、何でセレクションまで進めたんですか?」
綾菜のごく普通の疑問に、少し考えてツバサは、
「そうね……熱意を買ったわ。年齢詐称してまで受けようという、その熱意をね」
そう言い切ったのだった。
その後、後ろの扉が開き、襲名メンバーが駆け寄ってきた。
「おめでとう!これから一緒に頑張ろうね!」
たかみながリーダーらしく言った直後、その背後で「うわっ」と声が上がった。
「ゆいはんさん!訓練の時はありがとうございました!一緒に活動できるの楽しみです!よろしくお願いします!」
「よ、よろしくね」
綾菜がゆいはんの手をにぎにぎしながら熱い視線を送っている。ゆいはんは若干引き気味だ。その手をふわっと離すと、今度は未友の手を取った。
「未友と一緒に研究生になれて良かった。初めて見た時からすっごいかわいくてお人形さんみたいだと思ってて!ねえ、ちょっと髪の毛触っていい?はぁぁ、なんてさらさらな」
「……いいとは言ってない」
許可を待たずに髪の毛を触りだした。奏が「綾菜ってド変態?」と呟く。
「変態とは失礼な。この世の可愛いものと綺麗なものをこよなく愛しているだけだ」
「……放して」
今度は軽く未友を抱きしめつつ言う。未友の表情が全く崩れないのが奇跡だ。
「ゆうこと同じ匂い……いや、ゆうこ以上か……?」
さやかが頭を抱えて、呻くようにそう言ったのだった。
「まさかああいうキャラとは」
「うん。……あ、始まるみたい」
奏との会話にピリオドを打って、雫は前を向いた。
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皐月(プロフ) - 桜野ユウさん» 今、更新された話を読みました(^ ^)めっちゃ!読みやすいです!こちらこそ、改良ありがとうございました!! (2017年12月31日 0時) (レス) id: 1dab25db87 (このIDを非表示/違反報告)
桜野ユウ(プロフ) - 皐月さん» ちょっと改良してみました…やればできるもんでした。確かに、間隔をあけると自分でも読みやすいですね…ありがとうございました!(*^ω^*) (2017年12月31日 0時) (レス) id: e618dfe310 (このIDを非表示/違反報告)
皐月(プロフ) - 桜野ユウさん» いい感じの改良をお願いします(^ ^)長文ごめんなさい。m(_ _)m (2017年12月30日 22時) (レス) id: 1dab25db87 (このIDを非表示/違反報告)
皐月(プロフ) - 桜野ユウさん» 間隔を空けることに関しては、そういう事になりますね。私は…なんですけど、少し間隔が開いていた方が読みやすいです。間隔が開いてないと、どこまで読んだのか分からなくなりますし…。けど、意見を押し付けるわけじゃないんで^^; (2017年12月30日 22時) (レス) id: 1dab25db87 (このIDを非表示/違反報告)
皐月(プロフ) - 桜野ユウさん» お返事ありがとうございます(^ ^)まさか、お返事がもらえるなんて思ってなかったので嬉しいです!希望のキャラクターの研究、お疲れ様です!その研究が、希望のキャラクターにちゃんと活かせてると思います!! (2017年12月30日 22時) (レス) id: 1dab25db87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜野ユウ | 作成日時:2017年12月8日 19時