No.12 ページ15
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ある日の放課後。生徒会の集まりを終えたAは、教室にただ一人残っていた。
『……。』
自身の机に突っ伏し、憂鬱そうに窓の外を眺める。
空はどんよりとしていて今にも雨が降りそうだ。
6月に入り梅雨入りをした訳だが、頭痛持ちの彼女にとって
この季節は辛いのである。
おまけにいつも鞄に入れてる置き傘は、自宅に置いてきてしまっていた。
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『……やっぱり駄目ね。』
ダメ元で手元にあるものをスタンドで再生させてみたが案の定、傘には程遠いものばかりになってしまう。
雨が降り出す前に帰れば良かったのだが、急いで帰る気力がどうしても起きなかった。
暇潰しに、てるてる坊主を作ってみたが虚しくも雨は降り出してしまう。
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襲ってくる頭痛と怠さに目を閉じる。
しとしと、と聞こえてくる雨の音は心地よかった。
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千夏 - 二人の距離感がすごく好きです。無理のない範囲での更新、楽しみに待ってます! (2022年5月18日 18時) (レス) @page17 id: 86c828af75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽんで | 作成日時:2022年1月12日 1時