君に999本のひまわりを【五条悟】

44本目 ページ46

悟side






キスだとか、両思いだとか、治療法の話を盗み聞きしていた。






傑の携帯を俺の携帯と通話状態にして中に置いてきた。






相手にも発病するという治療法だったが俺は葵のためなら自分の命ぐらい捨てられる覚悟があった。






そう思っていた時硝子が禁断の質問に出た。






硝「相手に発病する云々は置いといてどっちが好きなんだ」






俺は息を止めて答えを待った。






そして俺だということを認めた。






叫びそうになったところを傑に抑えつけられる。






携帯は通話中なのだからこちらの音も向こうに聞こえる。






声を抑えられて徐々に感情の高ぶりが収まった。






硝子に勝手に俺の恋心をバラされたがこれで葵の寿命を延ばせる。






そう思ったとき、硝子が葵に話しかけた。






その内容は葵に言っているようで俺に言っているようでもあった。






他の治療法を頑張って見つけるなんて綺麗事ではある。






それでも諦めきれない。






でも話の核を突くように硝子は喋る。






硝「葵はどうする」






その問いに対する葵の答えを聞いて俺は通話を切った。






なぜか涙が溢れて止まらなかった。






傑も涙を堪えるような酷い顔をしていた。





俺はその日を境に無理に葵の寿命を延ばすことを諦めた。





その日、俺は葵に99本のひまわりをあげた。





99本のひまわり。永遠の愛、ずっと一緒にいよう。














完結まであと3話です

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