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お昼の時間。食堂やら屋上やらで食べる人が殆どなので勿論のこと教室から人が減る。
人が少ないこの環境で母親が作ってくれたお弁当を食べるというのは最高なんだが、意地悪な神様はそうさせてくれない。
なので今日は一足先に屋上へ逃げてきた。
いつもだったら｢Aちゃんッ！｣なんて言いながらズカズカと教室へ入り私が連行されていくわけなのだが、今日の私はひと味違う。夏休み中に私も成長したんだよ！ふはは！
何故に屋上かと言うと教室で食べると捕まる、中庭だと屋内から見渡せるので捕まる可能性アリ、便所は普通に嫌だ。と、言うことで屋上だ。一見無難で見つかりやすそうだが入口の裏側とかに隠れれば良いだろう。
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なんと今日は平井くんに見つかることなくお昼を食べきることに成功した。
こんなの彼に告白されて以来初じゃないか？
さて、あと10分程で休み時間が終わる。余裕を持ってそろそろ帰らねば。
よっこいしょ、と女子高生らしくない声を上げ立ち上がり扉を開け、階段をおりる。
ドアを開ける時に鳴るキィィィという音や、階段を上り下りしている時に響く足音。これらはどうにも聞きなれず少し怖い。
二階まで辿り着き、自教室を目指し歩いていたところ、突如私の背後から物凄い勢いで走ってくる音が聞こえた。
ソレは私が振り向く間もなく私に衝突してきた。背中に来る衝撃の後、背後から抱きしめられる感覚と背中に思い何かがのしかかっている感覚が襲ってきた。
あぁ……(察し)
誰が見てもわかるような全てを悟ったような顔をしたであろう私は、それでもワンチャン違うかもしれない。とかなり可能性の低い希望を持ってのしかかっている正体を確かめる。
｢Aちゃんったらどこいってたの〜！！？｣
やっぱりな、ははっ
どこに行こうが私の勝手だろう。なんだこいつは。独占欲の塊か？
｢どこ行こうが勝手じゃん？｣
｢だめ〜！いつも一緒にご飯食べてたじゃんっ｣
｢強制的に、ね。そんなに私がいないとダメ？｣
｢ダメ！1時間目でも30分でも10分でも！｣
｢付き合ってもないのに？｣
｢じゃあ付き合おうよ！｣
｢違う、そうじゃない｣
｢あっチャイムなっちゃった、まだいっぱい喋りたいけど、じゃあね！｣
バイバイと手を振りやっと去ってくれた。
あぁいっそころしてくれ…来世では最高のゲームライフを送れるように期待してますから……
｢あぁもう、やだぁ………！｣
そう呟いた私の声は誰にも聞こえてないだろう。
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