あなたへ (ページ19)

今日:152 hit、昨日:1,130 hit、合計:79,809 hit

. ページ19

　
　
　
　
　
本番まであと3日

私は表情管理に悩まされ色々とむしゃくしゃしてきた為、一旦練習室の外に出て休憩中

他の練習室からは各課題曲が流れてきて
音楽から1回離れて休憩と思っていたので少し不快に感じてしまう

西島「あれ、Aちゃん？」

『…西島さん』

古瀬「え、本当だ」

田島「今ってそっち練習中じゃなかった？大丈夫？」

しゃがみ込んでいた私に突然声をかけてきたのは無限大1組の3人

全員身長が高い、怖いです

古瀬「なんかトレーナーさんに言われたり…？」

『…めっちゃ言われました』

古瀬「何に対して？」

『表情です』

田島「あぁ……そっか…」

西島「Your Number大変そうですもんね」

古瀬「元々表情あんま出ないもんね」

すごい的確なこと言われた

古瀬さんと話すの初めてなのにすごい心に槍が刺さった……

古瀬「誰かに相談したりした？」

『いや…してませんね』

古瀬「誰か頼れる人とかいないの」

『いるけど……その人も結構限界来てそうで言いにくいです』
『てかそもそもあんま話す人がいないし……』

古瀬「んー……」
「Aちゃんはさ、あのチームで勝ちたいんでしょ？」
「というか表情のなさを直したいんでしょ？」

『そりゃもちろんです』

古瀬「だったらちゃんと言葉にしなきゃ」

『でも』

古瀬「メンバーはAちゃんのこと信じて選んでくれて、Aちゃんはメンバーのことを信じて選んだんだから」
「お互い隠し事してちゃ勝てないと俺は思うよ」
「仲良しこよしで終わらないで、結果残す為に努力しよう」

古瀬さんの言うことは本当に的確だし

前回書類で落とされた人だからこそ誰よりも説得力あるし

なんかこう……言葉はキツめだけど、この人の優しさからこういう風に言ってくれてるんだっていうのが伝わってくる

今はあんまりこうやって言ってくれる人が少ないからこそ

すごいありがたかった

『……ありがとうございます』
『って、田島さんと西島さんは？』

古瀬「あれ、本当だ、いない……笑」

どこ行ったんだろ…

まぁ、とにかく戻らなきゃ

『古瀬さん、あの、ありがとうございます』

古瀬「全然大丈夫だよ笑」
「お互い頑張ろうね」

『はい…！』

古瀬「あ、俺のことは直輝って呼んで良いよ」

『え、いやぁでも』

古瀬「そんな歳離れてないから、ね」
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　