懺悔 ページ2
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黒田坊はある丘を登っていた。
...
彼女がいなくなってから、約五十年が経った。
あのときの苦しみを…
悲しみを…
一度たりとも忘れたことはない。
これからも忘れることなどない。
それでも世の中は移り変わる。
リクオ様は立派に彼女の意志を引き継ぎ、総大将になられた。
あの直後は少し弱体化した奴良組もリクオ様のお陰で、持ち直した。
初代は今もご健在だ。
もちろん二代目も。
二代目の奥方様の若菜様は寿命で亡くなられてしまったが…
…
黒田坊は丘の頂上に辿り着き、そこで圧倒的な存在感を放っている大きな墓石のもとに花を添えた。
ここは…莉音の墓である。
黒田坊は丁寧に墓石を磨き上げ、線香をあげる。
彼はあれから毎日のようにここに来ている。
そして、懺悔をするのだ。
…
彼女は何も言ってくれなかった…
頼ってくれなかった…
いや、そうではない。
彼女が誰にも頼ろうとしない…頼り方を知らないのは、昔からわかりきっていることだ。
もっと寄り添っていれば…
もっと彼女の気持ちを深く考えていれば…
違う未来があったのかもしれない。
特殊な能力を持っていた分、計り知れない何かがあったのかもしれない。
狒々様や二代目のことだけではない。
もしかしたら、他の者の最期の瞬間も見ていたのかもしれない。
そんなものを何度も見ていたのであれば、心がはち切れそうなほど苦しかったに違いない。
あのとき、そんなことを考えたことがあったか…？
聞き出そうとするばかりで、彼女の気持ちに添って深く考えたことがあったか…？
巡り巡って自分のことしか考えていなかったような気がする…
そう思うと悔やんでも悔みきれない。
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「申し訳…ありませんでした…
…莉音様…」
黒田坊は彼女が眠るその前で項垂れた。
いくら毎日訪れようが、黒田坊のなかの彼女が微笑むことはない。
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怜。(プロフ) - 福寿茶寮さん» あ、この作品だけじゃないですね…笑、結構消すの忘れてますね…なおします！ (2021年11月16日 11時) (
レス) id: 0029dd2ea6 (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - 福寿茶寮さん» あぁ！すみません！以前そのパスワード付きの話を書いたときにこの作品に宣伝として記載したのですが、今回更新するときに見逃してました！すみません！ (2021年11月16日 11時) (レス) id: 0029dd2ea6 (このIDを非表示/違反報告)
福寿茶寮(プロフ) - 何故,ﾊﾟｽﾜｰﾄﾞ付きの話を宣伝してるのですか？ (2021年11月16日 9時) (携帯から) (レス) id: 998ae028aa (このIDを非表示/違反報告)
シルバーウルフ - これからの更新も凄く楽しみにしてます。(⌒‐⌒) (2020年5月3日 14時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - たかめいさん» ありがとうございます！めっちゃ嬉しいです！！頑張ります！ (2020年5月2日 22時) (レス) id: 0029dd2ea6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜 | 作成日時：2020年4月25日 16時
