相入れぬ存在 ページ5
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半刻ほど前。
最後の宮殿で晴明と羽衣狐が対峙していた。
初めこそゆっくりお茶をしながら、親子の会話をしていた。
平穏の世…下らぬ生物もいない秩序ある世界を作り上げたい晴明
そのやり方が気に入らない羽衣狐
この二人は、親子といえども相容れぬ存在となった。
_____永劫輪廻
妖はまるで赤子にかえり、そして焼失するように滅される晴明の術。
その術が羽衣狐を襲う。
だが、そのとき、京妖怪たちが羽衣狐をかばった。
「っ!!」
先程の晴明との会話で、羽衣狐が京妖怪を守るといったことを聞いていたのだ。
そんな羽衣狐をやらせるわけにはいかない。
「…お前たち…すまぬ。
晴明…やはり強いのう…さすが我が子じゃ…
しかし、妾はこの者たちと共に生きてゆく…!」
「そういうのが嫌なのだ…!
弱く…下等な者のために力を尽くすなど愚かだというのだ…!」
気がつけば晴明の術が、羽衣狐の眼前に迫ってきていた。
「…!
狂…骨…?」
狂骨が羽衣狐を守るように間に入り、まともに晴明の術を受けた。
羽衣狐は、半身が抉り取られ倒れ込んだ狂骨を腕に抱く。
「…」
怒りに全身が震える。
「晴明!!お前!!
何様のつもりじゃぁぁぁああ!!!」
「ふっ、無論、千年後の今も神だ」
そう晴明が魔王の小槌を振りかぶったときだった。
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怜。(プロフ) - ユキにゃさん» こちらも読んでいただいたんですね!ありがとうございます!感情移入していただけたようでめっちゃ嬉しいです!ありがとうございます!よかったら今後ともよろしくお願いします! (7月19日 23時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
ユキにゃ(プロフ) - 呪術の方を先に読んでしまい完全に読む順番間違えました笑 それにしてもこちらの作品も素晴らしい文才力ですね!ラストめっちゃ号泣しました黒田坊の想いがめっちゃ伝わってきた…😭主人公ちゃんと幸せになってほしかった…でも番外編で生存ルートが読めてよかった (7月19日 14時) (レス) id: 0ca6f61909 (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - ツバキさん» コメントありがとうございます!!そんなことを言っていただけるなんて!めちゃくちゃ嬉しいです!!ありがとうございました! (2022年4月18日 13時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
ツバキ(プロフ) - 死ぬほど泣きましたありがとうございました最高です (2022年4月18日 9時) (レス) @page39 id: b2e58f839d (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - 紫音七都さん» コメントありがとうございます!表現の仕方を気に入って頂けるのはすごく嬉しいです!今後もよろしくお願いします! (2021年11月10日 23時) (レス) id: 0029dd2ea6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怜 | 作成日時:2020年4月9日 15時