そっか、くらいがいい 夏油side ページ3
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夏油side
予知夢…
確かに、それっぽい答えだ。
いや、それも強ち間違いとは言い切れないんだろう。
だけど、何層にもなってるモノが一層剥がれただけって感じ。
「…じゃあ、その予知夢で何を見たんだい?」
『っ!!』
また、驚いた顔。
ここまで深掘りされると思ってなかった?
ごめんね。
君のことは困らせたくないけど…仕方ないんだ。
『…二級じゃなくて、一級案件に』
「でも、それなら、あんなに焦って現地まで行く必要なかったんじゃない?」
『え?』
「夜蛾先生はそろそろ着くころだって言ってたんだから、七海か灰原に電話して、一級かもしれないから一旦待機とでも指示すればよかった」
『っ!!
…あぁ、そっか。そんな、選択肢もあったか』
そう。
あのときのAは…まぁ、私もAの焦りに影響されていたことは否めないが。
あのときのAは、相当焦っていた。
途轍もない恐怖を背負って。
「…そんな選択肢があったのにも関わらず、君は現地に向かった。
私には何か大きな恐怖に突き動かされているように見えたよ」
『…なんで、そこまでわかんの…?』
「…まぁ、君をよく見てるからね」
『え?今、なん』
「…なんでもない」
Aは諦めたようにはぁと息を吐いて、ベンチに背を預けた。
『…雄がね』
「…うん」
『…死んだの』
「…え?」
『だから…焦ってた』とAは眉をへの字にして笑った。
それは、予知夢で灰原が死んだところを見た…と。
だから、あんなに…
「そうか…」
『うん』
私はかける言葉が見つからなかった。
『ふっ、そのくらいがいいよ』
「そのくらい?」
『うん、夢見たんもこれくらいやし、変に同情とかは…大丈夫やから…
そっか、くらいがいい』
そう言って、Aはまた笑った。
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怜。(プロフ) - 優生さん» ありがとうございます!😭がんばります! (4月17日 21時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
優生(プロフ) - 応援してます、頑張ってください (4月17日 21時) (レス) @page40 id: 5de943fe2a (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - たむ。さん» 👍ありがとうございます😭 (4月15日 11時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - 麻衣さん» 👍ありがとうございます😭 (4月15日 11時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - みづきさん» 👍コメントありがとうございます😭そう言っていただけるとすごく力になります! (4月15日 11時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怜。 | 作成日時:2024年3月17日 18時