腐っているんです ページ17
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Aside
出身…?
私が相当変な顔をしていたのだろう。
「いいから答えてください」と急かされた。
『…あ、はい、すいません、大阪です』
「え」
『え?』
なんでびっくりしてる?
「なら、ご家族やご親戚は?」
『あー…私、施設育ちなので…わかりません』
「っ!…あ、そうなんですね。
それは…ごめんなさい」
『いえ、別に家族とかなんの思い入れもないんで…』
『「…」』
え、なにこれ。
何この空気。
「…そうですか。
では、この地には縁はないと…」
『…え、えぇ、あったとしてもまったく知りません。
ここに来たのだって今日が初めてです』
「そう…」
…?
『…あの、私も情報は欲しいので、質問はさせてもらいますね。ですが、答えたくなければ答えなくて大丈夫です』
彼女は少し迷ったような表情を見せて、ゆっくりと頷いた。
『この似顔絵の方はあなたのお知り合いですか…?』
そのとき、彼女は何も言うつもりはなさそうだったが、顔が少し引き攣ったのを私は見逃さなかった。
『ふー…だめですよ。
そんなにわかりやすかったら…』
「…え」
『知り合いでもない私のことを信じてくれなんていえません。
ですが、見たところあなたは被害者です。
私はあなたたちをお助けしたくてここに来たんです』
「…っ、誰かに頼るなんて」
『…?どうして?』
「…怖いから。
自分の家族以外、いや、自分の家族でさえも信用できません」
『…家族でさえ?』
すると彼女は意気込んだように息を吐いた。
「…でも、あなたはこの村に何の関係もない。
正直、猫の手も借りたい…そんな気持ちはあるんです。
だから、あなたに賭けることにします」
私に賭ける…?
「この村は…腐っているんです」
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怜。(プロフ) - 優生さん» ありがとうございます!😭がんばります! (4月17日 21時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
優生(プロフ) - 応援してます、頑張ってください (4月17日 21時) (レス) @page40 id: 5de943fe2a (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - たむ。さん» 👍ありがとうございます😭 (4月15日 11時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - 麻衣さん» 👍ありがとうございます😭 (4月15日 11時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - みづきさん» 👍コメントありがとうございます😭そう言っていただけるとすごく力になります! (4月15日 11時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怜。 | 作成日時:2024年3月17日 18時