呪術の世界に女神が舞い降りた。7【呪術廻戦】【ぬらりひょんの孫】

見せるようになった負の感情 ページ6

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黒田坊side





A様の足が止まった。





…何故だろう。

今となっては考えていることがわかる。

前は全然わからなかったのに…






「っ！！」



そのとき、気づいた。



A様の中の負の感情を見せるようになったのだと。

拙僧が知っているA様は、辛い気持ちをなかなか表に出さない方だった。



だから、出させようとした。

それでもなかなか出さなかった。



それなのに…



きっとA様は今に至るまでに何かがあって、A様の中で変化を起こしたんだ。



拙僧が成し得なかったことを…

何かは…誰かは成し遂げたんだ。







まだ見ぬものに嫉妬している自分に苦笑した。







「A様…みんなに会うのが怖いと思ってますか？」


『…え？』





A様は少し目を逸らした後、小さく頷いた。





「貴女は、我らに生きてほしいと思ってくださっていて、実際、我らを守ってくれました。

でも、それは我らが貴女に対して、強く思っていたことでもあります。

今の貴女はそれを分かってくださっていますよね」





A様はまた小さく頷いた。





「逆の立場だったらどうでしょう？」


『え？逆の立場…？』



「もし我らの誰かが貴女の死を視ていたとして、貴女を助けるためには自分の命が必要で…

そうしていなくなってしまった後、貴女ならどう思いますか？

そしてもし戻ってきたら、どう思いますか？」





『っ、なんで言ってくれなかったの…って。
でも、また会えてすごく…すごく嬉しいと思う』





「我らも…同じですよ」





拙僧がそう言うと、A様は大きな瞳に涙を溜めて、広間への足を早めた。




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