番外編 婚約者事変�� ページ26
.
Aside
任務が終わって一度寮の部屋に戻っているときだった。
ｺﾝｺﾝと扉を叩く音がした。
『…？』
野薔薇かな？
そう思って、扉を開けると全く知らないひとがいて、にっこり笑った。
「はじめまして、奴良Aさん」
『…はぁ、はじめまして、あのどちらさまでしょう？』
「とりあえず中に入れてくださる？」
『はい？』
そのひとは随分強引にわたしの部屋に入ってきて、部屋の真ん中に陣取って座った。
…なんて、失礼な。
『あのー…？』と声をかけた後にその人が言った言葉が衝撃的だった。
「私は悟様の婚約者です」
『…っ！…え…！？』
婚約者…？
どういうこと…？
まさか、二股…？
いや、それはないな…
『それで…？その婚約者様が何用でしょう？』
「貴女、呪霊なんですってね。
…それなのに、五条家の嫡男である悟様に近づくなんて、なんて図々しい」
『…』
確かに、それはわたしには刺さる言葉だ。
呪霊であることは事実だし、由緒正しい五条家のことを考えると少々気後れする部分もある。
少し前のわたしなら落ちこんでいたかもしれない…
だけど…
「呪霊の分際で悟様に近づくな」
『っ！』
口調が変わった。
いや、本性が出た、といったところか。
「私の家系の血は代々、呪術師の家系に嫁いで繁栄をもたらしてきた。
私は"五条家に選ばれた"んだよ。
アンタはお呼びじゃない」
『五条家に選ばれた…そうですか…
でも、あなた…
"悟には選ばれてない"ですよね』
そのとき、その人の顔がめちゃくちゃに歪んだ。
「はぁ？調子乗ってんじゃないよ。
アンタなんか一生ここから出てくるな…！」
その人は、そう言い捨ててわたしの部屋から出ていった。
『…？』
ここから出てくるな？
いや、そんなことを言われましても…
このあとは、皆で外でバーベキューをする予定だし…
『一体、何だったんだ…？』
それから暫くして、皆のところに行こうと扉を開けたとき、一生ここから出てくるなの意味がわかった。
『っ！？』
扉の向こうにも鏡のように自分の部屋が続いていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 865人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マニ。(プロフ) - 怜。さん» ✉️。有難うございます！そちらのボードの方に返事送りました！ボード返事待ってます！ (1月1日 20時) (
レス) id: 4c65165166 (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます！嬉しいです！私でよければ！ (1月1日 20時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - 怜。さん» ✉️。こんにちは！とても面白いです！もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか？お返事お待ちしています (1月1日 18時) (レス) id: 4c65165166 (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - みちゃきさん» コメントありがとうございます😭嬉しいです！ (12月11日 13時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
みちゃき(プロフ) - 番外編のお話楽しく読ませて頂きました。 (12月11日 8時) (レス) id: 11e4934a1e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：怜。 | 作成日時：2023年11月3日 23時
