彼女と同じ苦しみを味わえるなら ページ40
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七海side
高専に移動してから私は、体に付いていた血液も綺麗にされ、綺麗なベッドで静かに静かに生きている彼女を眺めていた。
五条さんによると、呪いをかけた術者はもうすでに死んでいるらしかったが、二重にかけられた呪いが、想像以上に彼女を蝕んでいた。
こんなになる覚悟をして彼女は真実を告白したんだ。
私は何も知らなかった。
なんで、私は…
彼女を見ていたはずだったのに。
ベッドサイドモニタが示すバイタルが安定してることに安堵して。
手を握って、彼女の冷たさの中に少しの温もりがあることに安堵して。
…
…
…
どれだけ時間が経ったかもわからない。
「七海…ちょっと休め」
後ろから聞こえてきたのは五条さんの声だった。
「…嫌です」
「お前の体がもたないぞ」
「いいですよ、彼女と同じ苦しみを味わえるなら」
「お前なぁ…」
五条さんの足音が近づいてきた。
「なんですか」と振り返ったそのとき、私は意識が途切れた。
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怜。(プロフ) - コーンクリームコロッケさん» コメントありがとうございます!そんなふうに言っていただけるのすごく嬉しいです! (11月29日 23時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
コーンクリームコロッケ(プロフ) - サイコーすぎて泣いた…… (11月29日 8時) (レス) @page47 id: 45395c9c17 (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - 真さん» コメントありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです😭😭無事に完結できました!ありがとうございます! (8月21日 23時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
真(プロフ) - これからの更新が楽しみで仕方ないです!!!!!これからも頑張って下さい!!!! (8月21日 1時) (レス) @page46 id: dec522902b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怜。 | 作成日時:2023年8月2日 23時