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彼女を失う恐怖 ページ39

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七海side






「「っ!!」」



数分後、帳が下りたとき、家入さんはまだ到着していなかったが、私は間髪入れず中に入り込んだ。





その瞬間見つけた。


…血痕を。

恐らく彼女のものだ。


彼女はここにくるまで、帳で自身を覆って、血痕が見つからないようにしたのだろう。

極力、自分が見つからない方法を選んだんだ…







私はすぐにその血痕を辿り…



まもなくして、彼女を見つけた。



血の海のなかで木にもたれている彼女を。


体中に呪いの模様が刻まれ、皮膚が裂けて傷だらけだった。







「…!…Aさん…!!!」





私は抱き上げて、すぐに来た道を戻った。


すぐそばにいるカラスにも伝えて。




今は家入さんと合流することが先決だ。





「七海!!硝子ついた!!」


「A!!」



家入さんが、すぐに反転術式を施した。

が、彼女は独り言のように呟いた。





「これ…ちょっとやばいな…」






そのとき、全身に感じる恐怖に震えた。

彼女を失う恐怖。






「なにが、やばいんですか…家入さん」





やめてくださいよ、助けられないなんて、そんなの…





「出血量が多すぎる…
反転術式で戻せるのは戻せるけど、一度、致死量の血液が体の外に出ている事実はある。

それに、呪いが二重にかかってた分、生存確率は下がるだろう…」





徐々に呪いの模様は引いてきた


傷も治ってきた


だけど、Aさんは助からないかもしれない





自分の瞳に涙が滲んでいることがわかった。






「あとは、A次第だ…」




そう言って、顔を上げた家入さんの表情は、治療が終わったことを示していた。





「嘘、ですよね…」





家入さんは無言で首を横に振った。


家入さんも悔しそうで顔が歪んでいたのは私もわかっていた。



でも、





「嫌ですよ…
っあんな、あんな喧嘩別れみたいなのは…

私は彼女を傷つけたままなんですよ…」




私は足の力が抜けて、彼女のそばに座り込んで、手をとって強く握りしめた。



.

彼女と同じ苦しみを味わえるなら→←自分以外を入れさせない帳



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怜。(プロフ) - コーンクリームコロッケさん» コメントありがとうございます!そんなふうに言っていただけるのすごく嬉しいです! (11月29日 23時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
コーンクリームコロッケ(プロフ) - サイコーすぎて泣いた…… (11月29日 8時) (レス) @page47 id: 45395c9c17 (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - 真さん» コメントありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです😭😭無事に完結できました!ありがとうございます! (8月21日 23時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - これからの更新が楽しみで仕方ないです!!!!!これからも頑張って下さい!!!! (8月21日 1時) (レス) @page46 id: dec522902b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:怜。 | 作成日時:2023年8月2日 23時

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