隠れた狂愛【呪術廻戦 / 七海建人】

絶縁した青い春　＊ ページ28

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Aside







でも、そのおかげで運命的な出会いがあった。



悟、傑、硝子…



そして、




『貴方…なんて名前？』

「…七海建人です、はじめまして」




完全に一目惚れだった。

初めて会ったとき、異常なくらい胸が高鳴って、彼しか見えなくなった。





『Aさん』




彼が私を呼ぶ度に、

彼の色素の薄い瞳が私を捉える度に、

ぞくりと体が震えた。





でも、私の恋に巻き込まれたら、七海が可哀想だ。

だから、想いを秘めた。




その分、愛が曲がってしまったことも自覚していた。

七海に迫る危険や傷つくようなことがあったとき、私はその敵を異様なほどに許せなくて、事前に排除した。









もちろん…想いを言ってしまいそうなときも何度もあった。

何度もあったけど、その度に飲み込んで。




抑えきれなくなりそうになるたびに彼から一度離れて。

彼からの好意も感じていたけど、応えられないことを申し訳なく思って。




でも、幸せだった。

体を捧げなくていい3年間。

恋ができた2年間。

どれだけ幸せだったか。







私は卒業と同時期に地獄の生活に戻った。



彼らと離れるのに違和感がないように結婚したと嘘をついて。



そんな嘘をつかざるを得ない理由があった。




高専卒業時、指輪が追加されたからだ。


このネックレスと同様の呪いがかけられた指輪が。


そして、あろうことか、左手薬指につけられた。





こんなの誰かと結婚したからと嘘をつくしかないじゃないか。


その後は命令通り、私の青い春と絶縁した。






それ以降、他人を演じてきた私は、あのとき偶然七海に再会して、何かが崩壊した。





会いたい…


それしか考えられなくなった。





「マッタク…マタオモシロクナクナッタヨ」





その後だった。

七海と任務が一緒になったのは。




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