隠れた狂愛【呪術廻戦 / 七海建人】

私につけられた呪物　＊ ページ27

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Aside





どれくらい経ったんだろう。

もう喋る気力もない。





「やぁ、どうだった？」





また、呪霊と入れ替わるようにあの男が戻ってきた。





はっ…どうだった？

そんなの聞くまでもなく最悪だったに決まってんだろうが。





「あぁ…喋る元気もないか。

君のために一つ伝えておこう。
その首にかけたネックレスは呪物だ。
このことを高専に言ったりしたら君の命を奪う。あ、文字で書いてもダメだよ」



『っ！』


私はネックレスを無理やり外そうとした。

そのとき、心臓が鷲掴まれたように途轍もない苦しみが襲った。


なにか心に痛みを感じたとき、"心臓が鷲掴まれたように"という比喩表現を使うと思うが、そんなレベルではない。

本気で命の危機を感じた。





「あ、言うの忘れてた。
それ、外そうとしても一緒だよ。

あと、彼を祓おうとしても同じことだからね」






こんなの、喋る気力どころか、生きる気力も失う…

でも、そのまま私は死を選ぶことができなかった。

先になんの光も見えなくても。





私はそれから人形のように生き続けた。




そんな私の様子を見て、呪霊はあの男に文句を言ったみたいだった。




"ニンギョウダイテモオモシロクナイ"…と。





「ほんと面倒だけど、一度人間を取り戻させてあげるよ。
高専3年間だけ君にあげる。
逃げようとしてもダメだよ、そのネックレスに呪いかけてるからね。
そのあとはそこから絶縁して人生捧げてね」






…クソやろう。




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