おかしいと思ったこと 五条side ページ18
五条side
「傑一」
「なんだい?悟」
僕はあの後、高専に来ていた傑を呼び止めた。
「硝子のとこに集合」
「…?」
…
「んで?なにこの集まりは。
Aがいないってことは、Aのこと?」
「さっすが、硝子!!察しがいいね!」
「A?」
傑が不思議そうに首を傾げた。
僕はそれからすぐに本題を切り出した。
「早速だけどお前らさ一、Aのことで、なにかおかしいと思ったことない?」
「おかしいと思ったこと?」
二人とも考え込んではいたが、心当たりがあるようだった。
そして、この沈黙を破ったのは硝子だった。
「…………結婚のとき」
「私も…一番疑問に思ったのはあのときかな」
「ん、だよな…」
僕は俯いて、大きくため息を吐いた。
「僕たちは、大事ななにかを見落としているのかもしれない」
「どういうことだい?」
「あいつ今、不特定多数の男と寝てる」
二人とも大きく目を見開いた。
「な、なんで?」
硝子が珍しく動揺していて、その声は震えていた。
「さぁ、わからない。でも、おかしいでしょ。
あのAが、だよ」
「その相手が誰か、悟は知っているのか
い?」
「いや、二人以外は知らない」
「二人…?それって誰」
「旦那と……七海」
「「っ!」」
二人とも眉間に皺が寄った。
「だとしたらAは」
「もし、あのときの結婚がAにとって不本意なものだったとしたら…?
あのときのAの幸せそうな笑顔が、演技だったとしたら…?
心の奥底で助けを求めていたとしたら…?
それと…もう一つ気になるのは、なぜ今になって、なのか」
「今になって?
それは最近のことなのかい?」
「いつからかは正直わからないけど、少なくとも七海とするようになったのは、最近だと思う」
「いろいろ確かめたほうがいいんじゃない?
私もAに直接聞いてみる」
「頼んだ、硝子」
「じゃあ悟、私たちはAの実家に行ってみようか」
「あぁ」
.
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怜。(プロフ) - コーンクリームコロッケさん» コメントありがとうございます!そんなふうに言っていただけるのすごく嬉しいです! (11月29日 23時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
コーンクリームコロッケ(プロフ) - サイコーすぎて泣いた…… (11月29日 8時) (レス) @page47 id: 45395c9c17 (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - 真さん» コメントありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです😭😭無事に完結できました!ありがとうございます! (8月21日 23時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
真(プロフ) - これからの更新が楽しみで仕方ないです!!!!!これからも頑張って下さい!!!! (8月21日 1時) (レス) @page46 id: dec522902b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怜。 | 作成日時:2023年8月2日 23時