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野薔薇の気持ち * ページ6

.
Aside






「Aおいで」




そう呼ばれて近寄ったわたしの耳に口を寄せ、「今日、楽巌寺学長来るからね」と囁くような声で言った。



彼の声が耳元で聞こえる。

それだけで胸がザワザワした。





『…!…あの、わたし…大丈夫ですか?』




すると、彼はわたしの顔を覗き込み、片目だけ目隠しをとった。

 


「大丈夫。もう僕でもわからないよ」




綺麗な瞳がわたしを見つめる。





この瞳…やっぱり苦手だ…





『そうですか…
なら、よかったです…』


「じゃあ、またあとでね」




その大きな手をわたしの頭に優しく乗せて、彼は背を向けた。




息、苦しい…


やっぱりそういうことなんだろうか、これは…






先生…なのにな。






わたしは自分の胸に手を当て、肺に溜まった無駄な空気を出すように息を吐いた。






「A…?」


『…あ、野薔薇?なに?』


「どうした?」




『え、わたし…?
いや…なんでもないよ』





わたしがそう言って軽く笑うと、野薔薇は少し眉間を寄せた。





「……いっつもそうよね、Aって」

『え?』


「そうやってすぐに壁作る。
そういうのこっちからしたら気分悪い」



『…ご、ごめん』


「…もういい、じゃあ」




『ちょっと待って、野薔薇!ごめん!』




そうやって叫んだ言葉は野薔薇の背中に届いたのかはわからなかった。



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怜。(プロフ) - きょさん» コメントありがとうございます!あれ?書いてるはずです…更新されてないんですかね…? (1月12日 12時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
きょ - あの面白いんです!けどオチとかを目次に書いてたら分かりやすいです!もし書いてあったらすみません🙇 (1月12日 6時) (レス) @page36 id: c9d0d6f436 (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - 凛さん» コメントありがとうございます!嬉しいです!本当に本当に励みになります😭 (5月8日 19時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
- とても面白いです。更新待ってます (5月7日 20時) (レス) @page26 id: b6e4e5edf5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:怜。 | 作成日時:2022年11月2日 23時

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