呪術の世界に女神が舞い降りた。4【呪術廻戦】【ぬらりひょんの孫】

先生の想い　＊ ページ41

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Aside








「A、ちょっといい？」






その低い声に振り返ると、




『先生…』







「ちょっと！？私たち今から任務なんだけど！？」


「悪いね、野薔薇。
あとで合流させるから」





『「「「「…」」」」』






そのときの先生はみんなが黙り込んでしまうほどの鋭い空気感を漂わせていた。






『…みんな、先に行っといて？』







−−−−−










『先生…どうしたんですか？』





先生はみんながいなくなってから、また違う雰囲気になった。

何かを思い詰めているような。







「A…僕はね、生徒たちが傷つくのは嫌なんだ」


『はい…』






それは強く伝わる。

先生は生徒想いだって。






『伝わってますよ…？』




「でもね、平等じゃないんだ」

『…？…平等じゃない？』




「僕はAが傷つかない未来か、A以外の生徒全員が傷つかない未来、どちらか選ばなければならないとしたら、迷わず前者を選ぶ。

迷わず…Aを選ぶんだよ、僕は」


『っ！！』







なに、これ…

こんな縋るような視線。







『なんで、なんでそんなこと…言うんですか？』


「僕はもう君にどう思われようがどうでもいい。引かれようが構わない。
だけど、僕に君を守らせてほしい。

…僕は、Aが好きなんだ」





『え？』






…す、き？






「もちろん…恋の"好き"だよ」


『…っ！！』





「はぁ…正直もうどうしようもないところまできてるんだ…

Aと話せないことが辛い。
Aに近づけないことが辛い。
Aに好きだって言えないことが辛い…

気持ち悪いよな…」




彼は片手で頭を抱えて、自嘲した。




『先生…あの、わたし、わたしは、





「…！ちょっと待って…ちょっと待ってね。

………ごめんね、好きになって。やっぱり返事はいらないよ」







なんで…？






『ちょっ…「あと…引いたかもしれないけど、僕から離れてはいかないで…教師と生徒の範疇を出なくていいから…Aを守りたいから」







わたしを守る…？何から…？







「…話はそれだけ。
野薔薇たちと合流しな。

気をつけて」






頭が混乱して、なかなか声が出ない。







『…ちょっ、と』






先生はスッと立って、わたしの頭にポンと手を置いて、背を向けた。


その背中に伸ばした手は、空を切った。






『なんで…』





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