敵の目的は? * ページ30
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Aside
順平に二人を預けた後、私は走っていた。
目的は、敵、味方どちらもの呪力探知。
帳は広範囲に下されていて、一箇所にとどまっているだけではさすがに網羅できなかった。
今わかっている敵は呪詛師が二人とあの特級…
その呪詛師二人はそこまでの実力者ではなさそうだ。
それにそのうちの一人は帳の縁あたりにいる。
そこには教師たちがいるはずだ。
眠っている二人を助け、大体の敵の人数と位置を把握した今、特級呪霊のところに戻るべきだ。
私は勢いよく踵を返した。
さらにスピードを上げ、それからすぐに特級呪霊を視界にとらえた。
そのときふと思った。
本当にこの特級だけなのか…?
何が目的なんだ…?
この帳のなかには最初、本当に学生だけしかいなかった。
なんで学生だけを狙う?
物陰から様子を窺った。
…
___やめなさい、愚かな子らよ
なんだこれ…?気持ち悪いな。
耳から入ってくる情報と一致しない。
___私はただこの星を守りたいだけだ
守りたいだけ…?
___森も海も空ももう我慢ならぬと泣いています
___これ以上人間との共存は不可能です
___星に優しい人間がいることも彼らは知っています
___しかし、その慈愛がどれだけの足しになろうか
___彼らはただ、時間を欲している
___時間さえあれば星はまた青く輝く
___人間のいない時間…死して賢者となりなさい
なるほど…
この呪霊は、自然…いや、地に関わる呪霊ってことか…
そりゃ、特級なわけだ。
規模が違う。
そのとき、奴から何かが飛んできて、恵の方に向かっているのが見えた。
咄嗟の判断だった。
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怜。(プロフ) - きょさん» コメントありがとうございます!あれ?書いてるはずです…更新されてないんですかね…? (1月12日 12時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
きょ - あの面白いんです!けどオチとかを目次に書いてたら分かりやすいです!もし書いてあったらすみません🙇 (1月12日 6時) (レス) @page36 id: c9d0d6f436 (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - 凛さん» コメントありがとうございます!嬉しいです!本当に本当に励みになります😭 (5月8日 19時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
凛 - とても面白いです。更新待ってます (5月7日 20時) (レス) @page26 id: b6e4e5edf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怜。 | 作成日時:2022年11月2日 23時