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殺し文句 吉野side ページ11

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吉野side








『そういえば、ミーティングは終わったの?』




彼女は僕を覗き込むように軽く首を傾げた。





「…っ、」



なんかこうやって…

普通に話をしてくれることがこんなにも嬉しいなんて、思わなかった。


…泣きそうだ。






「…あ、あー…京都校の?」


『うん』


「なんか…
京都の学長が、作戦は後で伝えるって」



『後で…?』




彼女の目が一瞬だけ鋭く光った気がした。





「うん…」



『…なんで後で?一人だけ疎外するの?』





そうやって怒る表情に自分の胸がトクンと鳴ったのがわかった。





『わたしさ、本当は…
順平も一緒に東京校として戦いたかったんだよ』



「…え?」




…ちょっと、なんか今殺し文句じゃなかった…?





生唾をごくりと呑んだ僕はめちゃくちゃ頑張って平然を装った。






「そ、そう、だね…
でも、この時間があったから、こうやって奴良さん…あ、いや、A…と話もできたし、よかったよ」




彼女はきっと、僕がどれだけ頑張って呼び捨てで呼んだか知らない。






『それは確かに、わたしもだ』





彼女は嬉しそうに笑った。





僕は…

どれだけ抗っても、



畳み掛けてくるような魅力的な表情の変化と、





『だから、チームは別かもしれないけど、正々堂々と戦ったあとは、また一緒に…ね?』





畳み掛けてくるような殺し文句に、


胸の高鳴りがおさまらなかった。




「う、うん…ありがとう…」









このときの僕はどんな顔をしていただろう。


きっと、顔が緩むのを必死に抑えて強張っていたに違いない。



.

そうだとは思いたくない考え *→←許す *



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怜。(プロフ) - きょさん» コメントありがとうございます!あれ?書いてるはずです…更新されてないんですかね…? (1月12日 12時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
きょ - あの面白いんです!けどオチとかを目次に書いてたら分かりやすいです!もし書いてあったらすみません🙇 (1月12日 6時) (レス) @page36 id: c9d0d6f436 (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - 凛さん» コメントありがとうございます!嬉しいです!本当に本当に励みになります😭 (5月8日 19時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
- とても面白いです。更新待ってます (5月7日 20時) (レス) @page26 id: b6e4e5edf5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:怜。 | 作成日時:2022年11月2日 23時

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