背中合わせの光 8 【鬼滅の刃 / 宇髄天元】

妻という肩書き　＊ ページ7

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Aside





「まぁ、不死川さんのときだけは違ったみたいですけど」

『実弥？』

「はい。不死川さんの場合は、宇髄さんが好敵手として認めていたんでしょうね」



『そう、だったんだ…』

「…えぇ」





すると、しのぶがピンと人差し指を立てた。



「でも一番厄介だったのは、宇髄さん本人が"自分は嫉妬しないようにしている""自制している"と自分で思っていたことですね」



『…ふっ、なにそれ』





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しのぶは少し目を細めて小さく微笑み、改めて言った。



「Aさんと宇髄さんの間には、他人には決して踏み込めない絶対的な何かがあります」


『っ！』


「それに、宇髄さんが本当に好きなのは…本当に愛しているのは…Aさんですよ…？

だから、気にしなくていいんです」




私は自分の着物をぎゅっと握った。


『それは…そう、なのかもしれない…
だけど、私って天元のなんなんだろって思っちゃって、』

「それは、どういう…」

『私には、"妻"っていう肩書きがあるわけじゃないから』




しのぶは少し目を見開いた。






『それに、気のせいかもしれないけど、
天元…最近雛鶴といることが多い気がするの』


「え？」


『さっき、私に触れようとしてやめたんじゃないかってこと話してたでしょ？』

「…えぇ」



『あんなあからさまなのは、あれが初めてだったんだけど…

鬼舞辻の声が聞こえてきた時抱きしめてもらって、私が治ったって言ったら割とすぐに離してたな、とか…

それにさっき、私には頭撫でてくれなかったのに、雛鶴にはしてたし…』




しのぶは目線を下げた。



「なるほど…
Aさん的には、宇髄さんの気持ちがAさんから離れて、雛鶴さんに向かってると…？

鬼舞辻の声の件も、宇髄さんが仕方なく抱き締めていると…？」


『あ、いや、そこまでは…ないと思うけど、
ただ、私には言っていない何かで悩んでて、それを雛鶴には言ってるんじゃないかって…』




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