俗にいうヤキモチ * ページ6
.
Aside
『…』
「宇髄さんと話せ……てないみたいですね…」
私が戻ると、振り向いたしのぶが言った。
私今、どんな顔してるんだろう…
「何があったんですか?」
"何か"ではなく、"何が"と言ったしのぶ。
さすが…
.
『………いや、なんでも』
すると、しのぶがグイッと顔を寄せてきて、
「Aさん…なんでもないって顔してませんけど…」
疑うような目で見てきた。
『っ、』
「私はもう…Aさんに我慢とかさせたくないんですよ…」
しのぶの優しい言葉に驚いて、嬉しくて少し口角が上がった。
.
.
私はふぅ…と大きく息を吐いた。
『今まではね…
天元に奥さんがいること…何も思わなかったの。
それが、当たり前だと思ってたから…』
しのぶは黙って聞いてくれる。
『でもね…なんか……』
私にとっても大事な人たちに対してこんな攻撃的な感情を持つなんて思ってもみなかったから、自分でもかなり戸惑っていた。
「…なんとなくモヤモヤして、嫌な気持ちになる…って感じですか…?」
言葉に詰まった私の気持ちを代弁してくれた。
私はしのぶの言葉に頷く。
「それは…俗にいうヤキモチ…ですね」
『ヤキ…モチ…』
「はい…Aさんは、色恋とはかけ離れた状態で生きてこられたんでしょう?」
『うん…』
「だから…言ってしまえばやっと宇髄さんと同じ土俵に立ったんだと思いますよ」
私はパッと顔を上げた。
『え?どういうこと?』
「Aさんと仲良く話していた隊士を睨みつけているところを何度見かけたことか」
私は驚いて、思わず口をポカンと開けてしまった。
『ええ?』
「それに、Aさんに告白しようとしていた隊士を牽制しているところを何度見かけたことか」
『…!
てか、私に告白しようとしてくれてた隊士がいたの?』
「ふふっ、Aさんがそれも知らないくらい宇髄さんは妬いていた…ということになりますね」
『…』
私は一瞬言葉を失った。
.
636人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
怜。(プロフ) - えなさん» 友人の方にお薦めいただけるとは!!こちらも感動しております!今後ともよろしくお願いいたします! (9月1日 1時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - えなさん» コメントありがとうございます!全然読みにくくなんてありません!感想を細かくいただけることが作者としては本当に嬉しいです!感想のコメントは長ければ長いほど嬉しいですのでこちらこそありがとうございます! (9月1日 1時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - これも含めて7個もコメントしてしまって長ったらしく本当にすみません😂 最高の作品ありがとうございました!作者様のこれからの執筆活動も応援しております!!それと周りの鬼滅好きの子にこちらの作品を派手に勧めておきます!!💎✨ (9月1日 0時) (レス) id: e79cecb8f8 (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - 会ったのは久しぶりです!!このような素敵なお話を書いてくださった作者様に感謝と尊敬を抱いております...!本当に本当にありがとうございました!!そうだ伝え忘れていましたが、キャラクターの口調の再現もとても上手でそれぞれが話し声が頭に浮かんできました! (9月1日 0時) (レス) id: e79cecb8f8 (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - すぐ作者様にお伝えしたくて、あと余韻が残りまくりで興奮しているのもあり長文で読みにくい文章になってしまってすみません!また宇髄さんを供給したくなったときにこのお話を再度読めるようにお気に入りに追加させていただきました!こんなに読んで満たされた小説に出 (9月1日 0時) (レス) id: e79cecb8f8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:怜。 | 作成日時:2021年7月20日 21時