なんで * ページ5
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Aside
『あ』
前に天元が私を避け始めたときの感じと似ている。
また、天元がぐるぐる考えているのか?
でも、今なにを考えることがあるんだろう…
だって、親のことはもう自分の中では乗り越えられたことだ。
天元だってそう言っていた。
じゃあ、どうして…
『…しのぶ、私ちょっと行ってくる』
私は、話をしようと思って天元を追いかけた。
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『てんげ……っ!』
後ろ姿を見つけて、名を呼ぼうとしたとき、
天元のその大きい体の向こうに雛鶴がいたのが見えた。
そして、天元は雛鶴の頭をぽんと撫でている。
『え?』
ちゃんと天元と話そうと考えていた私の頭の中が、そんなことも忘れるくらい一気に、"なんで"で覆い尽くされた。
さっきは私の頭を撫でたりしなかったのに…っていう"なんで"
でも、なんで私がこんなこと思っているんだ…っていう"なんで"
だって、相手は雛鶴。
天元の"妻"で、私たちをずっと支えてきてくれた人。
"妻"…
この肩書きがこんなにも嫌だと思ってしまうなんて思わなかった。
じゃあ、私はなんなんだろう。
私の方が、"愛人"みたいじゃないか…?
『いた…』
天元と雛鶴の去っていく後ろ姿を見つめながら、ズキリと痛む胸を押さえた。
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「………」
そんな私を見つめていた人がいたことを私は気付いていなかった。
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怜。(プロフ) - えなさん» 友人の方にお薦めいただけるとは!!こちらも感動しております!今後ともよろしくお願いいたします! (9月1日 1時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - えなさん» コメントありがとうございます!全然読みにくくなんてありません!感想を細かくいただけることが作者としては本当に嬉しいです!感想のコメントは長ければ長いほど嬉しいですのでこちらこそありがとうございます! (9月1日 1時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - これも含めて7個もコメントしてしまって長ったらしく本当にすみません😂 最高の作品ありがとうございました!作者様のこれからの執筆活動も応援しております!!それと周りの鬼滅好きの子にこちらの作品を派手に勧めておきます!!💎✨ (9月1日 0時) (レス) id: e79cecb8f8 (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - 会ったのは久しぶりです!!このような素敵なお話を書いてくださった作者様に感謝と尊敬を抱いております...!本当に本当にありがとうございました!!そうだ伝え忘れていましたが、キャラクターの口調の再現もとても上手でそれぞれが話し声が頭に浮かんできました! (9月1日 0時) (レス) id: e79cecb8f8 (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - すぐ作者様にお伝えしたくて、あと余韻が残りまくりで興奮しているのもあり長文で読みにくい文章になってしまってすみません!また宇髄さんを供給したくなったときにこのお話を再度読めるようにお気に入りに追加させていただきました!こんなに読んで満たされた小説に出 (9月1日 0時) (レス) id: e79cecb8f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怜。 | 作成日時:2021年7月20日 21時