番外編 平和な日常 ページ37
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Aside
私たちの屋敷は、産屋敷邸には及ばずともそれなりに広い。
それは、天元、私、雛鶴、まきを、須磨の五人で住んでいるからだ。
ただ、天元と私は柱として、昼間も忙しかったり、前線で戦ったりしていたから、屋敷の管理は主に雛鶴たちがしてくれていた。
でも、戦いから解放された今はそういうわけにはいかない。
−−−−−
私は今、台所で食事の準備をしている。
五人分だから、なかなかに多くて作りがいがあるけど、料理すること自体久しぶりでかなり楽しんでいた。
今は絶賛、根菜の煮物を作り中。
人参やら牛蒡やらを切っていたとき、私は、誰かが後ろから近づいて来たことに気がつかなかった。
『…!』
その人が私の真後ろに立ったとき、私はやっと気が付いた。
その気配が大きいから天元だろうと予想して後ろを振り返ると…
いや、振り返る前に、トンッと背中に重みを感じた。
『…!…な…なに!』
「…」
天元は無言で、私の腰に右腕を回し、左手は台所について、完全に私の逃げ場を失くした。
背中から天元の熱が伝わるよりもはやく、私の中からの熱がブワッと溢れ出した気がした。
「…俺結構前からここにいたのに、お前全然気づかねぇから」
『…っ、』
その言葉でまた体温が上がる。
天元の大きくて筋肉質な体に後ろから包まれていて、思ったより彼の息が耳に近くて、心臓が大きく高鳴った。
『…いま、包丁もってて…危ないよ…』
「…ん。大丈夫、俺はこれ以上動かねぇ…」
『え?…いや、そういう、問題じゃ、』
「…」
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怜。(プロフ) - えなさん» 友人の方にお薦めいただけるとは!!こちらも感動しております!今後ともよろしくお願いいたします! (9月1日 1時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - えなさん» コメントありがとうございます!全然読みにくくなんてありません!感想を細かくいただけることが作者としては本当に嬉しいです!感想のコメントは長ければ長いほど嬉しいですのでこちらこそありがとうございます! (9月1日 1時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - これも含めて7個もコメントしてしまって長ったらしく本当にすみません😂 最高の作品ありがとうございました!作者様のこれからの執筆活動も応援しております!!それと周りの鬼滅好きの子にこちらの作品を派手に勧めておきます!!💎✨ (9月1日 0時) (レス) id: e79cecb8f8 (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - 会ったのは久しぶりです!!このような素敵なお話を書いてくださった作者様に感謝と尊敬を抱いております...!本当に本当にありがとうございました!!そうだ伝え忘れていましたが、キャラクターの口調の再現もとても上手でそれぞれが話し声が頭に浮かんできました! (9月1日 0時) (レス) id: e79cecb8f8 (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - すぐ作者様にお伝えしたくて、あと余韻が残りまくりで興奮しているのもあり長文で読みにくい文章になってしまってすみません!また宇髄さんを供給したくなったときにこのお話を再度読めるようにお気に入りに追加させていただきました!こんなに読んで満たされた小説に出 (9月1日 0時) (レス) id: e79cecb8f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怜。 | 作成日時:2021年7月20日 21時