お前"は"? * ページ27
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Aside
「A…」
後ろから聞こえる、私の愛しい人の声。
私はすぐに振り向き、勢いよく天元の腰に抱きついた。
「うおっ!」
天元は私の勢いに少しよろけたけれど、軽く受け止めて強く抱き締めてくれた。
「A、ごめんな…」
『ううん…私が逃げただけだから…』
「逃げ、た…?」
天元はそう言って私を離そうとしたけれど、私が腕に力を込めて止めた。
「…っ!
…なぁ、A…やっぱ嫌だったか…?
怖かったか…?」
『…ん?何が…?』
「いや、何がってお前…
俺が…お前を押し倒して…」
『…?
え?あ、それが怖かったかって聞いてるの?』
「…ん」
天元は申し訳なさそうに小さく頷いた。
『全く怖くなかったかって聞かれたら、それは嘘になるけど、あのとき、天元から触れてくれたのが久しぶりだったような気がして、嬉しかった…』
「は…?」
『それに、私…
そういうことに関しては、天元に何されようが嫌じゃない』
「…っ、うわ、お前、それ反則すぎ…」
天元は隙間がないくらいに私をぎゅうっと抱き締めて、私の肩に顔を埋めた。
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.
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そのまま、暫くが経った。
「こうすんのも…久しぶりな気がするな…」
『うん…
…あ、そうだ…
なんで最近こんなふうにしてくれなかったの?』
私が天元の腕の中で顔を上げて聞くと、天元はバツが悪そうに少し視線を逸らした。
.
「あーー……A」
『ん?』
天元は私を抱き締める腕を強めた。
「お前の…お腹のあたりになんかあたってんのわかる?」
『………ん?』
確かに、私の下腹部の辺りになにかが…
「それ、俺の…」
『んん!?!?』
いや、男の人はそういうことがあるというのは知らなくはなかったけれど、こんな形で実感することになるとは思っていなかった。
天元は私の頬を撫でて、顔を上げさせた。
「お前に触れるとき、いつもこうなってんの…俺…」
『え?』
「だから、いつか…
お前が嫌がってんのに、理性が完璧に切れて無理矢理押し倒して先に進んでしまいそうになるときが来るんじゃねぇか…って思った…
お前をめちゃくちゃに抱いてしまうときがくるんじゃねぇか、って怖かった」
『天元…』
「でも、お前は初めてだろうし、お前の気持ちに合わせて進みたかったから…」
…………ん…?
『…………お前"は"?』
「え」
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怜。(プロフ) - えなさん» 友人の方にお薦めいただけるとは!!こちらも感動しております!今後ともよろしくお願いいたします! (9月1日 1時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - えなさん» コメントありがとうございます!全然読みにくくなんてありません!感想を細かくいただけることが作者としては本当に嬉しいです!感想のコメントは長ければ長いほど嬉しいですのでこちらこそありがとうございます! (9月1日 1時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - これも含めて7個もコメントしてしまって長ったらしく本当にすみません😂 最高の作品ありがとうございました!作者様のこれからの執筆活動も応援しております!!それと周りの鬼滅好きの子にこちらの作品を派手に勧めておきます!!💎✨ (9月1日 0時) (レス) id: e79cecb8f8 (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - 会ったのは久しぶりです!!このような素敵なお話を書いてくださった作者様に感謝と尊敬を抱いております...!本当に本当にありがとうございました!!そうだ伝え忘れていましたが、キャラクターの口調の再現もとても上手でそれぞれが話し声が頭に浮かんできました! (9月1日 0時) (レス) id: e79cecb8f8 (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - すぐ作者様にお伝えしたくて、あと余韻が残りまくりで興奮しているのもあり長文で読みにくい文章になってしまってすみません!また宇髄さんを供給したくなったときにこのお話を再度読めるようにお気に入りに追加させていただきました!こんなに読んで満たされた小説に出 (9月1日 0時) (レス) id: e79cecb8f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怜。 | 作成日時:2021年7月20日 21時