この世の終わりみたいな顔 実弥side ページ23
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実弥side
俺は玄弥に状況を伝えるため一旦家に戻ろうと外に出ると、その先には、
「っ!」
…宇髄がいた。
宇髄は俯いている上に月の光が後ろから当たり逆光になっていて、表情がよくわからない。
「お前、なんで…」
「………お前の弟に…聞いた」
宇髄が小さく呟いた。
「…俺の屋敷に、行ったのか」
「あぁ…」
「じゃあ、Aが俺の屋敷にいるって知ってたのかァ…?」
「あぁ…」
「だったらよォ…
なんでその時点で迎えにこなかった…!?」
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俺のその質問に、宇髄は先ほどよりも小さな消え入るような声で呟いた。
「お前に……妬いてた」
「…はァ?」
「お前が…Aの腰抱いて、お前の屋敷に入っていくのが見えた…」
「…はぁ、だからってなァ…
…っ!」
恋仲なら堂々と取り返しに来いよと、俺は宇髄の方に向かって歩きながら文句を言おうと思ったが、途中で口を噤んだ。
宇髄の表情が見えたからだ。
この世の終わりみたいな顔して、その瞳からはボロボロと涙が溢れていた。
こいつが俺の前でそんな顔見せんだから、相当だな…
「はぁー…
…お前、そんな顔すんだったら、一瞬でもAのこと離すんじゃねェよ。
奪うぞ、ゴラァ」
「…っ、」
「はぁ…」
ったく、言い返しても…来やがらねェ…
いつまでも女々しいこいつに俺も限界だった。
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.
「…宇髄、お前、
一発、殴らせろォ」
「っ!」
俺は宇髄の顔を思い切り殴った。
宇髄は体勢を崩し、尻餅をついた。
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…でも、
すぐに立ち上がり、顔を上げた。
そのときの表情は先程とは、少し変わっていた。
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「Aに…会わせてくれ」
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怜。(プロフ) - えなさん» 友人の方にお薦めいただけるとは!!こちらも感動しております!今後ともよろしくお願いいたします! (9月1日 1時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - えなさん» コメントありがとうございます!全然読みにくくなんてありません!感想を細かくいただけることが作者としては本当に嬉しいです!感想のコメントは長ければ長いほど嬉しいですのでこちらこそありがとうございます! (9月1日 1時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - これも含めて7個もコメントしてしまって長ったらしく本当にすみません😂 最高の作品ありがとうございました!作者様のこれからの執筆活動も応援しております!!それと周りの鬼滅好きの子にこちらの作品を派手に勧めておきます!!💎✨ (9月1日 0時) (レス) id: e79cecb8f8 (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - 会ったのは久しぶりです!!このような素敵なお話を書いてくださった作者様に感謝と尊敬を抱いております...!本当に本当にありがとうございました!!そうだ伝え忘れていましたが、キャラクターの口調の再現もとても上手でそれぞれが話し声が頭に浮かんできました! (9月1日 0時) (レス) id: e79cecb8f8 (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - すぐ作者様にお伝えしたくて、あと余韻が残りまくりで興奮しているのもあり長文で読みにくい文章になってしまってすみません!また宇髄さんを供給したくなったときにこのお話を再度読めるようにお気に入りに追加させていただきました!こんなに読んで満たされた小説に出 (9月1日 0時) (レス) id: e79cecb8f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怜。 | 作成日時:2021年7月20日 21時